2007年4月13日(金)「しんぶん赤旗」

諫早湾閉め切り10年

有明海再生へ緊急提言

共産党 “排水門ただちに開け”


 諫早湾が潮受け堤防で閉め切られてから十年目を迎えるにあたり、日本共産党国会議員団有明海再生プロジェクトチームと長崎、佐賀、福岡、熊本の各県委員会は十二日、「有明海再生のための緊急提言2007」を発表しました。中・長期の開門調査を求める緊急提言は、二〇〇二年六月にまとめた「有明海・八代海再生のための緊急提言」以来。

 農水省で記者会見したプロジェクトチーム責任者の赤嶺政賢衆院議員は、緊急提言について「今月十四日で閉め切り十年を迎え、あらためて有明海再生のために政府としてやるべきことは何かを、三月十八日、十九日の現地調査や漁民のみなさんからの聞き取りも踏まえて検討したもの」と説明。同事務局長の仁比聡平参院議員は「学者、研究者、市民・環境団体、弁護士など関係者とも懇談を重ねてまとめたもので、今後、各党と政府にも申し入れたい」と語りました。

 提言は、農水省の諫早湾干拓事業が広大な干潟をつぶしただけでなく有明海全体の海洋環境の悪化と漁業の衰退をもたらし、転職・出稼ぎなど地域経済の落ち込みや社会基盤に深刻な影響がでていることを指摘。有明海・八代海特別措置法による「再生」事業も、二〇〇三年度から三年間で約七百五十四億円かけたうち、漁場改善関係では覆砂など約八十二億円にすぎず、逆に漁民からは「改善どころか有害なものが多い」と批判の声がでていることを紹介しています。

 提言は、根本原因の干拓事業に手をつけない対策の見直しを提起、(1)潮受け堤防の排水門をただちに開き、調整池に海水を入れること(2)排水門の開門の方法を検討すること(3)総合調査評価委員会の構成とあり方を見直す(4)有明海の実態と漁民の意見を聞く、超党派の国会議員による緊急調査――などの六項目の緊急対策を求めています。

 会見には元衆院議員の春名なおあき参院比例候補も同席しました。

 東京での記者発表にあわせ、有明海沿岸の長崎、佐賀、福岡、熊本の四県でも日本共産党の各県委員会がそれぞれで記者会見しました。会見には、九州沖縄ブロックの田村貴昭・国政対策委員長(衆院比例候補)、各県の県議や参院選挙区候補らが出席しました。



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