2007年4月11日(水)「しんぶん赤旗」

中韓首脳が連携強化

「北」の核・FTAを議論


 韓国の盧武鉉大統領は十日午後、ソウルを訪問中の温家宝中国首相と青瓦台(大統領府)で会談しました。両首脳は、北朝鮮の核問題の解決に向け、緊密に協力していくことを確認。両国間の自由貿易協定(FTA)など経済協力についても意見交換しました。


 中国首脳の訪韓は二○○五年十一月の胡錦濤国家主席以来です。首相として初めて訪韓した温首相はソウル到着時に声明を発表し、一九九二年の国交樹立から十五周年、中韓交流年の今年、両国の全面的協力パートナーシップをさらに発展させたいと述べました。

 両首脳は北朝鮮核問題について、二月の六カ国協議での合意のために両国が積極的に協力したことを高く評価。合意の初期段階措置履行の期限が十四日に迫るなか、さらに協力を強化していくことで一致しました。

 両首脳は、北朝鮮核問題の平和的解決が、北東アジアに恒久的な平和と安定をもたらす上で重要だとの認識で一致。六カ国協議を、多国間の安全保障対話体制へと発展させることに期待を表明しました。

 中韓FTA問題では、両国がともに利益になるよう産官学による共同研究を深めていくことで一致しました。国交樹立以来、両国は経済的な関係を深め、昨年の中韓間の貿易額は約千百八十億ドルに上ります。先に温首相は韓国メディアに対し、中韓FTA交渉の早期開始に前向きな考えを表明しています。

 両首脳は、朝鮮半島に七世紀まで存在した高句麗の帰属をめぐる論争など、両国間の歴史問題についても意見交換。両国関係発展の障害にならないよう引き続き努力することで一致しました。

 両首脳はソウル・上海を結ぶシャトル便の開設に合意。今後、両国間で実務的な協議を進めます。このほか、両国の海・空軍間で緊急時に直接連絡できる通信網を構築することでも合意しました。

 温首相は十一日に林采正国会議長らと会談した後、午後、次の訪問先の日本に向かいます。



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