2007年4月10日(火)「しんぶん赤旗」

旧ソ連軍去り15年、今度はNATO軍…

独で演習場反対デモ


 【フレッツドルフ(独ブランデンブルク州)=中村美弥子】ドイツの首都ベルリン北方約百キロのキリッツ・ルッピン原野のフレッツドルフ村で八日、爆撃演習場計画に反対する集会とデモ行進がありました。ドイツ全国で開かれている復活祭平和行動の一環として開催された集会には、地元や周辺州から約一万人(主催者発表)が集まりました。


復活祭平和行動 

ベルリン北方の村に1万人

写真

(写真)キリッツ・ルッピン原野までデモ行進する参加者=8日、独ブランデンブルク州フレッツドルフ村(中村美弥子撮影)

 キリッツ・ルッピン原野は、一九九二年まで旧ソ連軍の爆撃演習場でした。この原野を再びドイツ軍と北大西洋条約機構(NATO)軍の演習場にしようとする計画に対し、原野を住民に返還するよう求める市民運動が高まっています。

 集会であいさつした市民運動「フライエ・ハイデ」(自由の原野)のシルゲ代表は、「演習場だけでなく、戦争そのものに反対だ。アフガニスタンに派遣されているドイツ軍兵士を帰還させよう」と呼びかけました。

 ブランデンブルク州のプラツェク州首相(社会民主党)は、「地元の住民は十五年間にわたり自分たちの生活の行く末に不安を抱いて暮らしてきた。自然を生かした観光産業こそが、この地域の経済発展を可能にする」と訴えました。

 「環境を破壊する演習場に反対」というのは、参加者のヘルムート・ブットナーさん(18)。「旧ソ連軍の撤退後、原野は自然が再生された。これを再び破壊するのは許されない」と話しました。

 ベルリンから来たローニ・アカマンさん(67)は、戦争反対の意思を示すために参加したといいます。「アフガニスタンに駐留しているドイツ軍は戦争に加担している。独政府には米国の政策をまねてほしくない」と力を込めました。

 ドイツの復活祭平和集会・行動は、一九六〇年にキリスト教徒や市民が核兵器廃絶を求めてデモ行進したことが始まり。以来、毎年復活祭の期間、国内七十カ所以上で集会やデモが繰り広げられてきました。


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