2007年4月9日(月)「しんぶん赤旗」

今週の国会

改憲手続き法案

与党、衆院通過狙う

緊急集会・要請行動も計画


 国会は今週、九条改憲の条件づくりとなる改憲手続き法案が大きなヤマ場を迎えます。自民、公明両党は十二日の衆院憲法調査特別委員会で採決し、十三日にも衆院通過を図る構え。参院の福島、沖縄両選挙区の補欠選挙(二十二日投票)をにらみ、重要法案をめぐる与野党の攻防が激しくなっています。

 日本共産党は、改憲手続き法案が「安倍内閣のめざす改憲にとって必要な法制と位置付けられている。『修正』といっても改憲案を通しやすくする仕組みに変わりない」(笠井亮衆院議員)と批判。「採決先にありき」の与党と対決し、徹底審議を求めています。五日の特別委員会の中央公聴会では、七人の公述人のうち五人が法案に「反対」「慎重審議」の声をあげました。

 民主党は週明けにも党内で意見集約し、同党の改憲手続き法案の「修正案」を提出する方針。ただ「『与党修正案』はほとんど民主党案が丸のみされる形で推移している。与野党協議を加速させなければいけない」(中堅議員)という声も党内で出ています。

 緊迫した国会にあわせ、改憲手続き法案反対の緊急国会前集会や議員要請行動などが計画されています。改憲勢力を世論の力で追い詰める院内外のたたかいも正念場です。

 改憲手続き法案とともに安倍晋三首相が今国会成立を狙う教育関連三法案について与党は、十日の衆院本会議で特別委員会設置を決め、中旬以降に審議入りするシナリオを描きます。民主党は教職員免許更新制について「政府案より厳しい案を出す」(鳩山由紀夫幹事長)と国家統制で競い合う姿勢を強めています。

 沖縄の米海兵隊のグアム移転経費を日本側が負担するための措置や、在日米軍再編の対象になっている基地を抱える市町村に「再編交付金」を交付する仕組みを創設する在日米軍再編促進法案は、十日の衆院安保委員会で参考人質疑が行われます。与党は四月中旬までの衆院通過を狙っています。

 安倍内閣が「再チャレンジ」政策に掲げるパート労働法改定案も十日の衆院厚生労働委員会で参考人質疑が行われます。労働関連法案では、雇用保険法改悪案が施行期日などを修正し、十日の参院厚労委で採決されます。また、企業のリストラ計画を認定し、減税などで支援する産業活力再生法改悪案など経済成長戦略大綱三法案が十一日の衆院経済産業委員会で採決されます。


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