2007年4月4日(水)「しんぶん赤旗」

温暖化

EU委員が米批判

検討会議で 「世界一の汚染国」


 【パリ=浅田信幸】欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委員会のスタブロス・ディマス委員(環境担当)は二日、ブリュッセルで始まった国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」第二作業部会の開会式で演説し、米国を名指しして「世界一の汚染国」と批判しました。

 ブリュッセルからの報道によるとディマス委員は、「米国がもっと緊密に協力し、(温暖化防止の)国際交渉に否定的な態度をとり続けないよう期待する」と発言。温暖化防止のための京都議定書から離脱した米国やオーストラリアをあげ、「これらの国が行動することが絶対に必要だ。でなければ他の国々、特に発展途上国には行動する理由がない」と強調しました。

 米国は全世界の温室効果ガスの25%を排出しており、二〇〇五年は一九九〇年比で16%も排出量を増やしています。

 ディマス委員は、バイオ燃料など米国が独自の技術開発に努めていることを認めながらも、それが「国際的合意達成の助けにならず、排出を削減することにもなっていない」と厳しい見方を示しました。

 EUは、京都議定書で一二年までに8%削減(九〇年比)の目標が決められていますが、昨年末までに全二十七カ国で7・4%の削減を実現。三月の首脳会議で二〇年までに温室効果ガスを20%削減する独自の目標を決定しています。



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