2007年4月4日(水)「しんぶん赤旗」

おはようニュース問答

「慰安婦」問題、テレビはしっかり報道を


 みどり 従軍「慰安婦」問題で安倍首相が「強制連行の証拠はない」と述べたことが、世界の批判を浴びているわね。

問われる二枚舌

 晴男 アメリカのワシントン・ポストも社説で取り上げた。拉致問題では熱心なのに、自国の起こした人権問題では責任を認めない安倍首相の二枚舌が問われたんだ。

 みどり 日本のメディアは、あまりふれてないみたいだけれど。総理の記者会見(三月二十七日)で、質問が出てこないのには驚いた。

 晴男 いくつかの番組では、扱っているものがあったよ。一日放送の「サンデーモーニング」(TBS系)で、金子勝慶大教授が、世界で孤立している今の日本について「戦前から戦争に至る歴史と同じ状況に入り始めた」と言っていた。

 みどり 歴史のわい曲は世界では通用しないってことね。

 晴男 「たけしのTVタックル」(朝日系、二日)は、安倍首相に「謝罪するなら発言を撤回したら…」と迫った日本共産党の吉川春子参院議員の国会質問を紹介した。

軍の関与は明白

 みどり 「慰安婦」問題で謝罪した河野談話を、やり玉にあげる政治家もいるでしょ。証拠もないのに妥協したっていうのは本当なの?

 晴男 いや、そうじゃない。一九九二年に慰安所への軍の関与を示す旧日本軍の資料が発見された。テレビはこうした歴史的事実に立脚して番組を作るべきだね。

 みどり ドキュメンタリーの格好のテーマになりそうなのにね。

 晴男 NHKの元プロデューサーが書いた『テレビは戦争をどう描いてきたか』(桜井均著)を読むと、九〇年代だけで「慰安婦」問題を取り上げたドキュメンタリーが八本あったよ。

 みどり 制作現場は頑張っていたのね。

 晴男 一月に判決があったNHK番組の政治介入問題を覚えてるだろう。あれが、NHKが「慰安婦」問題を正面から扱おうとした最後の番組だよ。安倍首相が官房副長官だったときに圧力をかけて、番組がズタズタになったんだ。

 みどり 介入した政治家の狙い通りにテレビの状況がなってるわけね。

 晴男 関心が高まっている今こそ、しっかりとりくんでほしいね。

 〔2007・4・4(水)〕



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