2007年4月2日(月)「しんぶん赤旗」

「全国学力テスト」に疑問

不参加表明の犬山市で集い

愛知


 「『全国学力テスト』で教育は『再生』するか?」と題した集いが一日、愛知県犬山市で開かれました。同市では、少人数指導など子どもたちの「学びあい」を大事にする学校教育を進める一方、全国一斉学力テストについて市教委は不参加を表明しています。集いでは、少人数指導で子どもたちが意欲的に学習している姿について報告され、全国一斉学力テストへの疑問の声が聞かれました。

 主催は、「あいち県民教育研究所」。教育研究者や教師、父母ら九十人が参加しました。

 中嶋哲彦さん(犬山市教育委員、名古屋大学大学院教授)が問題提供者として発言しました。全国一斉学力テストについて、「文部科学省が決めたルールで子どもや教師、学校、地域を競争させ、国が定める基準で評価し、学校の教育活動や地方の教育施策にしばりをかけようという制度だ」と批判。全国的な学校の序列化を招く危険性を指摘しました。

 犬山市独自の学校教育について、小学校教師は、「少人数指導で、子どもから『一緒に楽しく学べる、教え合えるのがいい』と声が返ってきます。競争による不安でなく、『やった、できた』という自信をつけさせたい」とのべ、別の教師は「大変さもあるけど、習熟別ではない少人数指導や少人数学級で、子ども同士が学び合う授業をつくっています。競争でなく、本当の意味での学力をつけさせたい」と問題提起しました。

 二人の小学生を持つ同市内の母親は、「毎日持って返るプリント類をみても、一人ひとり丁寧にみてもらっていると思います。なぜ、全国一斉学力テストに参加しないかわからなかったけど、学力テストが子どもには決してプラスにならないと思いました」と話しました。



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