2007年3月31日(土)「しんぶん赤旗」

都教委

35人を不当処分

「日の丸・君が代」 強制反対を理由に


 東京都教育委員会は三十日、今年度の公立学校の卒業式で「日の丸・君が代」強制に反対したことを理由として、教職員三十五人を懲戒処分しました。「日の丸・君が代」を強制する二〇〇三年の「10・23通達」以来、懲戒処分を受けた教職員はのべ三百八十一人となります。

 懲戒処分の内容は、停職六カ月一人、三カ月一人、一カ月一人、減給十分の一・三カ月一人、同一カ月十一人、戒告が二十人となっています。また都教委は、戒告を受けた教職員のうち、再雇用選考に合格していた二人の合格を取り消しました。

 処分を受けた教職員でつくる、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は同日、処分者を支援する集会を文京区内で開催。同会の星野直之共同代表は「私たちの『日の丸・君が代』不服従の抵抗は、この国の平和、人権、民主主義を守りぬく最前線のとりで。世論に訴え、たたかいの輪を広げていこう。正義は私たちにある」と述べました。

 その後、処分発令のために都立教職員研修センターに呼び出された教職員を支援しようと、センター前に集まった人々は「通達を撤回し、不当処分をやめよ」「裁かれるべきは都教委と石原知事だ」と抗議。処分命令を受ける八王子市内の夜間中学の教員は「都教委の職員も私たちも、憲法尊重義務を負う同じ公務員。どちらが憲法を擁護しているか、はっきりさせなければ」と述べました。

 「10・23通達」とそれにもとづく「日の丸・君が代」強制の職務命令については、東京地裁が昨年九月、教職員の思想・良心の自由を侵害するとして「違憲」判決を出しています。都教委は同判決に不服として控訴していることを理由に、今回の不当処分を強行しました。

不当処分撤回求める

被処分者の会が抗議声明

 東京都教育委員会(都教委)が三十日、三十五人の教職員の懲戒処分を決定したことを受け、「日の丸・君が代」不当処分撤回を求める被処分者の会は会見を行い、不当処分の撤回を求める声明を発表しました。

 声明は、「職務命令を根拠に処分を振りかざして、教職員・生徒に『日の丸・君が代』を強制する都教委」のやり方に「満身の怒りを込めて抗議し、不当処分の撤回を求める」と述べています。

 都教委が「日の丸」「君が代」の強制は違憲とした昨年九月二十一日の東京地裁判決を無視して、「職務命令」を出すよう今まで以上に強く各校長を指導し、すべての都立学校の卒業式で例外なく各校長が「職務命令」を出し続けていることに対して、声明は司法の判断に従い、これまでの教育行政を改めるよう求めています。



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