2007年3月29日(木)「しんぶん赤旗」

政調費領収書 非公開

32都府県議会

日本共産党 全面公開求める

自公民など 請願を否決 妨害


 昨年十一月、東京都目黒区の公明党区議団の政務調査費不正支出問題(議員六人全員辞職)が明らかになり、その後も各地で不正・不明朗な支出が続出、住民の怒りが強まっています。本紙が都道府県議会の政務調査費を調べた結果、三十二都府県の議会が領収書を非公開にしていることがわかりました。

 領収書を添付・公開、または公開を決めたのは五県、「五万円以上の支出について」など条件付きで領収書添付・公開、または公開を決めているのは十道府県でした。

 三十二都府県は、領収書添付の義務付けもなく、明細が不明の収支報告書(A4判一枚など)の提出ですまされています。これらの議会では、自公民など「オール与党」が公開を阻んでいます。

批判世論高まる

 公明党目黒区議団の政調費問題が大きく報道され、世論の批判が強まるとともに、日本共産党などが、領収書の添付・公開を求めるなかで、昨年末からことしにかけて、数県が全面公開や条件付きで領収書添付義務付けを決めています。

 日本共産党は「いっせい地方選にあたっての基本政策」でも、政務調査費の「使途の透明化のため、領収書添付の義務付けを強くもとめ」ています。

 新潟は、昨年、新潟市の共産党市議団が政務調査費の全面公開を求めて記者会見し、みずから全面公開するとともに、三月議会で条例提案することを表明。この内容を全戸配布ビラにして宣伝しました。このことが大きな力になり、県、市とも二月議会で来年度から全面公開することが決まりました。

 秋田の日本共産党・山内梅良県議は二月九日、県議会議長に政務調査費の全面公開などを申し入れ、その後の記者会見で県議の政務調査費収支報告書の内容がずさんで不透明であると指摘。県議会は選挙後から五万円以上の領収書添付が義務付けられました。

 島根県議会では唯一、共産党の尾村としなり県議がこの四年間、くりかえし領収書の添付と公開を要求。二月議会で来年度から三万円以上は領収書添付、公開の対象とすることを決めました。

公約を実行せず

 非公開の都府県で日本共産党は、領収書添付義務付け、全面公開へ力をつくしていますが、自民、公明、民主など「オール与党」勢力が、妨害しています。

 東京都議会では、二〇〇一年以来、領収書添付を義務付ける条例改正案を党都議団が繰り返し提案。自民、公明、民主はそのつど反対し、否決しています。今年一月にも各会派に申し入れ、条例提案しましたが、いっせい地方選への影響を危惧(きぐ)する自公民は使途基準の見直しなど、ひとまず「協議を始める」ことを理由に「継続審議」にしています。

 千葉県議会では昨年十二月議会で、県民からの領収書添付・公開を求める請願に対し、自公民が否決。ところが同月、民主党が発表した「マニフェスト」には「政務調査費領収書提出・公開を義務付ける」と書き込み、県民を欺いています。

 岡山の共産党県議団も全面公開を主張。二月議会で領収書添付の方向も出されましたが結局は見送りに。公明党は四年前の公約(法定ビラ)で「領収書添付などで(政務調査費の使途の)透明性を高めます」とかかげましたが、まったく実行していません。

 熊本県議会には、二月議会に領収書添付を求める請願が出されましたが、自民、公明、県民クラブ(民主、社民系)が継続審査にして、事実上廃案にしました。

 福岡の共産党県議団は毎年、政務調査費の全面公開を議長、各会派に申し入れていますが、自公民「オール与党」は拒否しつづけています。

 兵庫の共産党はこの四年間、四回にわたり領収書全面公開の条例を提案。自公民社はこれらすべてに反対しました。昨年十二月議会で自公民社が提案して決めた条例案は、肝心の事務所費や人件費の領収書が公開から外され、五万円未満非公開で、ほとんどがやみのなかというものでした。


 政務調査費 地方自治法にもとづき、地方自治体が議員や会派に対し調査・研究のために支出する経費。金額や交付方法は条例で定められます。現在、すべての都道府県議会、政令市議会で同費を設けています。金額(月額)は一人あたり、都道府県・政令市議会で二十五―六十万円。


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