2007年3月25日(日)「しんぶん赤旗」

ベネズエラ大統領出席の集会を米批判

アルゼンチンが反論


 【メキシコ市=松島良尚】アルゼンチンのフェルナンデス内相は二十三日、ベネズエラのチャベス大統領の先のアルゼンチン訪問のさい、アルゼンチン政府が人権団体の集会への同大統領の参加を認めたのは過ちだとする米政府の抗議に対し、「アルゼンチンは主権を持ち、訪問者の自由を認める国だ」と強く反論しました。

 チャベス大統領は今月九日、キルチネル大統領との会談後、二万人以上が参加した「中南米統合と反帝国主義」と銘打った集会に出席。中南米歴訪中だったブッシュ米大統領を「政治的死に体」などと批判しました。

 バーンズ米国務次官は二十二日、「ブッシュ大統領がウルグアイを訪問していたときにこうした集会が行われたのは遺憾だ。正しいことではなかったと思う」とアルゼンチンの駐米大使に述べました。中南米諸国の駐米大使らを招いてブッシュ大統領の歴訪の結果を報告する会議でのことでした。

 これに対し、エクアドル訪問中のアルゼンチンのタイアナ外相は「受け入れられない。アルゼンチン政府にとって正しいことは表現の自由を尊重することだ」と反論しました。

 米政府は、ブッシュ大統領と時期が重なったチャベス大統領の中南米歴訪に無関心をよそおっていました。しかし今回のアルゼンチン批判は、米政府がチャベス大統領の動向を注視していたことを浮き彫りにしました。


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