2007年3月22日(木)「しんぶん赤旗」

改憲手続き法案

今国会成立へ動き加速

単独の「修正」案づくり急ぐ

与党


 二十二日の衆院憲法調査特別委員会の中央公聴会開催を決めた与党・自民党は、九条改憲のための改憲手続き法案の今国会成立へ動きを加速しています。

4月8日過ぎれば

 自民党は十九日の役員会で安倍晋三首相出席のもと、「四月八日(いっせい地方選前半戦の投票日)を過ぎれば、速やかに衆院を通過させる」ことを確認しました。

 二十二日以降に地方公聴会と二度目の中央公聴会を設定して「野党にも配慮し、国民の声を聞く」(二十日、与党理事)と慎重審議のポーズをとっています。しかし、「八日までは採決を見合わせる」という「のりしろ」の範囲にすぎず、採決日程先にありきの姿勢に変わりはありません。

 その姿勢は、修正案提出の時期にもあらわれています。衆院憲法調査特別委員会の自民党理事は「与党修正案を来週にもまとめる」とのべました。一回目の中央公聴会前には「修正」案も提出せず、国民の意見を聞く姿勢も示していません。一方では、これ以上スケジュールを遅らせないため、民主党との「共同修正」を事実上放棄し、単独での修正案とりまとめを急いでいるのです。

右派議員が見直せ

 与党内からは、「民主党に譲歩した修正を『見直せ』」という動きも強まっています。二十日の自民党総務会では、投票年齢を「十八歳以上」と引き下げる修正に異論が出ました。また、右翼改憲派の日本会議国会議員懇談会の自民党メンバーが中川昭一政調会長らに「修正見直し」を要請しました。民主党取り込みのための「譲歩」に対し、「靖国」派をはじめとする右派勢力からの揺さぶりが強まっています。

参院でも強硬姿勢

 法案の衆院通過を待ちうける参院サイドでも、強硬姿勢が強まっています。

 参院憲法調査特別委員会の自民党理事は「必ず今国会で通す。総理があれだけ言っている以上、もし通せないなら政権の存在理由が問われかねない」と言明。「特別委員会には『定例日』はない」として、連日の審議も辞さない構えです。

 審議時間についても、同理事は「四十時間」程度を目安にする考えを表明しました。衆院では法案の国会提出前の調査の「五十時間」を含めて「八十六時間も審議した」とアピールしていたのに、参院では「衆院との比較は法案審議の時間だけでいい」との態度です。極めて少ない衆院での審議時間をさらに割り引いて国会を「突破」させようというもくろみです。

 自民党が法案の審議時間を少なくしようとするのは、審議を進めれば進めるほど、九条改憲との一体性と、不公正で非民主的な内容がますます国民に知れ渡ることを恐れているからです。法案の狙いと内容は国民世論との深い矛盾を抱えています。



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