2007年3月19日(月)「しんぶん赤旗」

フランス

反原発、5都市でデモ

依存政策からの脱却要求


 【パリ=浅田信幸】フランス北西部のレンヌなど五都市で十七日、政府の原子力発電所建設に反対し、原発に依存するエネルギー政策の転換を求めるデモが行われました。主催者発表でレンヌの四万人、リヨンとトゥールーズの各一万人など、五都市で計七万人近くが参加し、近年にない盛り上がりをみせました。

 反核団体を網羅的に結集したネットワーク組織「核からの脱却」のステファン・ローム代表は、「デモの規模に驚いた。大成功だ」と語り、「(一九八六年の旧ソ連での)チェルノブイリ事故のようなものが起こる前に核から抜け出す計画を持つ必要がある」と強調しました。

 フランスでは新世代の原発といわれる加圧水型原子炉の建設が北西部シェルブール近郊(ノルマンディー地方)で進められています。昨年四月には現地で欧州規模での三万人の反対デモが行われています。

 原発建設予算は三十三億ユーロ(約五千億円)といわれ、コスト高とともに核燃料廃棄物の問題を深刻にすると「核からの脱却」は批判。太陽熱や風力など再生可能エネルギーの開発に傾注すべきだとしています。

 フランスは電力生産のほぼ80%を原発でまかない、中国やインドへの売り込みにも熱意を示しています。欧州連合(EU)のエネルギー戦略の決定では、再生可能エネルギーの比率引き上げ義務化に抵抗しました。

 これに対し、今月初め公表された欧州の世論調査ユーロバロメーターによると、国民の59%が原発への依存を減らすことを望んでいます。


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