2007年3月16日(金)「しんぶん赤旗」

英、温暖化ガス6割削減

50年までに 世界初、法案提出へ


 【ロンドン=岡崎衆史】ミリバンド英環境相は十三日、二酸化炭素排出量を二〇五〇年までに一九九〇年比で60%削減することを義務付けた「気候変動法案」を発表しました。国民からの意見を取り入れ最終案を秋の国会に提出する予定です。

 英政府は、国内法による温室効果ガス削減の義務付けは世界初の試みだとしています。これにより、法制化後、政府が削減目標未達成などの法律違反をした場合、法的措置を取ることが可能になります。

 法案は、中間目標として、二〇年までに26―32%の二酸化炭素削減も義務付け。また、五年ごとに目標達成のための予算を設定することや、政府に助言するための独立機関設置も定めています。

 また、エネルギー使用の効率化、低炭素燃料や技術への投資を進めるための見通しも明らかにしています。

 ミリバンド環境相は国会への声明で、「法案は、企業と個人が炭素ガス排出量の少ない経済に移行するのに必要な、明白で信頼でき、長期的な枠組みを提供する」と訴えました。

 野党や環境団体は法案を歓迎する一方で、年間目標設定や削減目標の強化などを求めています。

 最大野党の保守党の影の環境相、エインズワース下院議員は「歓迎すべき一歩だ」と評価しつつ、確実な目標達成のために年間目標を定めるよう訴えました。

 環境団体「フレンズ・オブ・アース」のジュピター会長は、歓迎と同時に、「法案は強化されなければならない」とも述べ、二酸化炭素排出量を毎年3%以上削減するなどの削減義務の強化を求めました。



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