2007年3月16日(金)「しんぶん赤旗」
くらしの安心に税金を
吉田万三候補が主張
都知事選で公開討論
![]() (写真)黒川(左端)、石原(右端)、浅野(その左)らと討論する吉田万三候補(左から2人目)=15日、東京・中野区 |
告示まで一週間となった東京都知事選挙(二十二日告示、四月八日投票)を前に、初めて予定候補者が顔をそろえた公開討論会が十五日、なかのZEROホール(中野区)で開かれました。主催は東京青年会議所。
参加したのは、歯科医師で元足立区長の吉田万三氏(革新無所属、日本共産党推薦)(59)、現職の石原慎太郎氏(74)、前宮城県知事の浅野史郎氏(59)、建築家の黒川紀章氏(72)の四候補。
(1)高齢化社会にどう対処するか(2)四年間で四千億円の事業を行えるとしたらどの重点政策に使うか(3)オリンピック東京招致は推進か見直しか―などの質問に各候補者が討論しました。
吉田氏は、「私の信条、政治の目標はくらしの安心だ」とのべ、税金の使い方を大型開発優先から、社会保障や子育て、医療などを拡充する方向に転換することを訴えました。「大型開発は一過性のものだが、福祉施設の建設などは地元の仕事や雇用も増やす」と強調しました。
そのうえで、石原知事のように、憲法を否定するのではなく、近隣諸国との相互理解を踏まえて、東京が平和の発信力を強めていくことが大事だとのべました。
二〇一六年オリンピック招致問題について吉田氏は、石原知事がオリンピックの名前で大型開発を推進しようとしていることを批判。「都民のくらしが相当大変なときに(多額の)予算を食ってしまうオリンピック招致はやめるべきだ」と主張しました。
これに対し、石原氏は「オリンピックはインフラ整備の引き金になる」と認めました。
浅野氏は、五輪招致について「ストップも早い、ゴーも早い」とのべました。五輪中止を主張する黒川氏に対し石原氏は「(五輪を)やれやれと昔、僕にいったじゃないか」とのべました。
○×問題にも各氏は答えました。米軍横田基地の軍民共用化などについて問われ、吉田氏はただ一人「×」をあげ、「基地が永久化することを心配している。首都に外国の基地があるのは正常な状態ではない」と反対しました。


