2007年3月14日(水)「しんぶん赤旗」

英核兵器更新に反対

下院院内副総務が辞表

「良心を堅持する」と声明


 【ロンドン=岡崎衆史】ナイジェル・グリフィスス英下院院内副総務(閣外相)は十二日、政府の核兵器システム更新推進に反対して、ブレア首相あてに辞職願を提出しました。同氏は政府に抗議する声明を発表し、「確かな良心を堅持して」辞職すると述べました。


 十四日には、現有核戦力の更新の是非をめぐって下院で採決を行う予定。与党労働党内から造反者が相次ぐことが予想されています。

 BBCラジオが十一日に明らかにした労働党下院議員に対するアンケートによると、回答した百一人のうち六十四人が更新に反対を表明し、十五人が態度未定だと述べました。

 下院ホームページによると、投票可能議員数で見た場合、労働党と野党との差は六十七人。ブレア首相は、与党内で造反者が出た場合、野党第一党の保守党などの賛成を得て過半数を獲得したい意向です。

 英国は現在、潜水艦発射のトライデント核ミサイル五十基、核弾頭約二百発、バンガード級原子力潜水艦四隻からなる核戦力を保有。このうち原潜の退役が二〇二二年から始まるため、次世代核兵器開発をめぐる論議が進められてきました。

 政府は昨年十二月、核戦力更新のための白書を発表。バンガード級原潜に代わる新型原潜の開発を目指し、トライデント・ミサイルの寿命延長に向けた米国の研究開発プログラムに加わる方針を明らかにしていました。


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