2007年3月3日(土)「しんぶん赤旗」

南北閣僚級会談

非核化履行へ共同努力

文書採択 支援再開は先送り


 平壌で開かれていた韓国と北朝鮮の第二十回南北閣僚級会談は二日午後、全体会議を行い、朝鮮半島の非核化に向けた初期段階の措置を定めた六カ国協議の合意(二月十三日)を履行するために協力することなどを明記した共同報道文(合意文書)を採択して閉幕しました。次回の会談は五月二十九日から六月一日までソウルで開きます。


 閣僚級会談は昨年七月に北朝鮮がミサイル発射を強行した直後の会談が決裂して以来、七カ月間にわたり中断。二月十三日の六カ国合意を受け、南北双方が「南北会談の正常化」に意欲を示していました。

 合意文書は「南北関係の正常化」を明記。「朝鮮半島の非核化と平和の保証」のために六カ国協議の合意を円滑に履行するよう「共同で努力する」ことを確認しました。

 北朝鮮が強く求めていた人道支援の再開では、食料支援再開を協議する経済協力推進委員会を四月十八―二十一日に平壌で開催することで合意しました。

 会談では、昨年七月の北朝鮮によるミサイル発射を受け、韓国が凍結したコメ・肥料支援の再開問題も注目されました。北朝鮮は支援規模や再開時期を明示するよう要求。韓国は支援の具体的な内容については、六カ国協議合意の履行状況をみながら協議すべきだと主張していました。

 北朝鮮に拉致された韓国人と朝鮮戦争(一九五〇―五三年)の韓国軍捕虜の未帰還兵については、南北赤十字会談を四月十一―十二日に北朝鮮の金剛山で開いて協議することに合意しました。

 また、南北を結ぶ鉄道(京義線)の試運転を今年上半期中に実施します。昨年五月に予定されていた試運転は、北朝鮮が休戦ラインを越えるための「軍事的保障措置」の不備を理由に、前日に延期を通告していました。合意文書は「軍事的保障措置がとられるのに伴い」試運転を実施するとしています。

 離散家族再会事業の再開については、三月末にテレビ画像による対面を行い、五月上旬に実際に再会します。金剛山に予定されている離散家族の常設面会所の建設工事を早期に推進することも確認しました。

 閣僚級会談は二月二十七日から四日間の日程で、韓国の李在禎統一相、北朝鮮の権浩雄内閣責任参事がそれぞれ首席代表を務めました。


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