2007年2月22日(木)「しんぶん赤旗」

温暖化ガス

EU、20%削減合意

環境相理事会 「京都」後視野に


 【ベルリン=中村美弥子】欧州連合(EU)の環境相理事会が二十日、ブリュッセルで開かれ、二〇二〇年までに二酸化炭素(CO 2)などの地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出量を一九九〇年比で20%削減する目標で合意しました。来月のEU首脳会議で正式に決定される見通しです。

 今回の合意は、温室効果ガスの排出量を九〇年比で8%削減することをEUに課した京都議定書の期限が切れる一二年以降の対策を視野に入れたもの。他の先進国が同様の努力を図れば、二〇年までのEUの削減目標を30%に引き上げるとしています。

 EU議長国ドイツのガブリエル環境相は、「歴史的な合意だ」と発言。「地球温暖化を防ぐために、国際的な削減目標を30%とすることが必要だという認識で一致した」と述べました。

 EUの執行機関の欧州委員会のディマス委員(環境担当)は、「目標達成のために真剣に取り組むというEUの決意を示した」と述べ、今回の合意を歓迎。「他の先進国にも責任を果たしてもらいたい」と要求しました。

 欧州委員会は一月に発表したエネルギー政策で、二〇年までに風力や太陽光発電など再生可能エネルギー依存率を20%にまで増やす方針を打ち出しました。さらに今月初め、一二年までにCO 2排出量を25%削減することを自動車メーカーに義務付ける方針を発表しました。

 ガブリエル環境相は、「各加盟国は経済状況に応じて、それぞれの削減目標をもつ」と述べ、今回合意された目標を達成する上で、国別に削減を割り当てる意向を表明。ドイツなど経済が安定している国は中・東欧諸国よりも高い削減目標をもつ可能性に言及しました。具体的な調整は今後の課題となります。


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