2007年2月19日(月)「しんぶん赤旗」

米核兵器政策

設計士が批判

米紙報道

廃絶の長期計画を提案


 “最終目標は全核兵器の廃絶”―米国の現職の核兵器設計士がこのほど米紙のインタビューに答え、「ワシントンで議論される核兵器政策は、将来に必要な兵器の数やそれをどのように製造するかという狭い問題に限られ、どうすれば核兵器をすべてなくせるかという点がない」ことに不満を表明しました。(ワシントン=山崎伸治)


 この設計士は、米国の核兵器開発拠点であるロスアラモス国立研究所のジョゼフ・マーツ氏(41)。「老朽化」した核弾頭を改良するという「信頼できる交代用核弾頭」(RRW)計画に基づく同研究所の新型弾頭設計チームの責任者です。

 十三日付のサンフランシスコ・クロニクル紙は「核兵器計画に携わる科学者が軍縮を具体的な政治目標とするよう提案した」として、マーツ氏とのインタビューに基づく記事を掲載しました。

 マーツ氏は、クリントン政権下で始まった「核兵器貯蔵管理」計画と現在のRRW計画という「技術的な進展」の結果、米国は核弾頭を解体しながら自衛もできると指摘。包括的核実験禁止条約(CTBT)を批准することで、軍縮を積極的に主張して信頼を高めることもできるとして、「いまがそれにふさわしい時だ」と述べています。

 新しい政策のカギは数年にわたって核弾頭の数を次第に減らし、古い弾頭をRRWと交換しながら、最終目標を全核兵器の廃絶とすることだと強調。重大な危機が生じた際に、貯蔵してある物質から核弾頭を組み立てるという「仮想の貯蔵」を数千の核兵器の配備に代わる核抑止力にできると指摘し、米国の核研究所にはその能力があるとしています。

 マーツ氏は、政府の核政策の議論が新型兵器の製造に集中し過ぎていると批判。「私が提起しようとしているのは、『どうすれば数千の核兵器を一触即発の警戒態勢におかずに、抑止の効果を得られるか』ということだ」と述べています。

 サンフランシスコ・クロニクル紙は「冷戦時代の核弾頭の維持と将来の核兵器の設計に携わる高官が、核兵器廃絶の長期計画を提案したのは初めてのことだ」と指摘。シュルツ元国務長官ら元政府高官らが先月、「核兵器のない世界」の実現を呼びかけた論文を発表したことも紹介し、その変化に注目しています。


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