2007年2月19日(月)「しんぶん赤旗」

温暖化対策 緊急性訴え

世界市長・首長協議会が閉幕


 先進国の温暖化ガス削減を定めた京都議定書発効二周年で京都市で開かれていた「気候変動に関する世界市長・首長協議会(WMCCC)」京都会議は、十八日、世界各地で影響が現実となっている温暖化対策の緊急性を世界に訴え、閉幕しました。

 二十六カ国百九の自治体トップらが参加。のべ八百八十人が分科会やセミナーなどで、太陽光・風力発電所建設やバイオ燃料など再生可能エネルギー利用、公共都市交通整備など実際に温暖化ガスの排出を削減するとりくみを交流。十八日の会合で、ネパールのカトマンズから参加した自治体代表が「氷河がとけはじめている。起こっている問題を解決するには、研究、調査、技術、専門家が必要だが、不足している」と訴えると、英国の自治体などから協力の意思が表明されました。

 京都議定書から離脱を表明した米国からは、ニュートン市、サンタモニカ市の代表らが参加。米国内でも二酸化炭素排出削減の温暖化対策が自治体でひろがり、二〇二〇年までに30%削減をめざす都市独自のとりくみや、米国内の80%の自治体が政府に京都議定書批准をもとめていこうとしていると報告しました。

 アジアからは中国、韓国、インド、フィリピン、インドネシアなどが参加。韓国での風力発電所の建設など、自治体による再生可能エネルギーへの転換の模索なども紹介され、途上国からもとりくみが報告されました。国際ネットワークの持続可能性をめざす自治体協議会の気候変動防止都市キャンペーンの参加自治体は八百以上にも。

 深刻な公害に直面した一九六〇年代後半から七〇年代初めの日本では、政府に先んじて自治体が公害対策に着手し、それが政府を動かした歴史が温暖化対策にもあらわれている報告もあいつぎました。

 〇五年にカナダ・モントリオールで十一カ国十五都市で発足した首長協議会は、京都議定書で削減が義務付けられていないインドのデリー市も参加を表明し、途上国も含め十三カ国十八都市に拡大。政府に大幅削減目標設定などを求める同協議会の共同宣言「京都気候変動防止宣言」は、加盟していない自治体にも共感をひろげました。


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