2007年2月12日(月)「しんぶん赤旗」

居場所づくり・就労・家族

ニート支援 全国交流会


 「ニート・社会的ひきこもり支援者全国実践交流集会」が十一日、東京都武蔵野市、三鷹市で始まりました。十二日まで。二回目となる今回は、四十都道府県から約二百五十人が参加。数十万人ともいわれる社会的ひきこもり、八十五万人といわれるニートの若者への支援を、教育や雇用などの多様な領域から話し合いました。


 武蔵野公会堂で開かれた全体会は、「若者支援の現在と課題」と題しパネルディスカッションを行いました。

 フリースクールや「若者自立塾」を行っている文化学習協同ネットワークの佐藤洋作代表理事は、ニートを「働かない甘えた若者の問題」とみるのは誤りであり、「働く意識のない若者はいない」と主張。教育や雇用問題、貧困化による技能の低下などさまざまな要因から「働けなくなっている」として、「現代の若者問題ととらえ、緩やかな社会参加のための総合的な援助を広げていくことが課題です」とのべました。

 ハローワーク三鷹の廣瀬誠人所長は、ニート問題は、雇用構造の変化と若者の非正規化が進むなかでの現象だとのべました。「若者を正社員として雇い、技能を身につけさせ、人として育てることは、企業の社会的責任である」と語りました。

 内閣府有識者会議「若者の包括的な自立支援方針に関する検討会」座長で、放送大学の宮本みち子教授は、各省庁で始まっているニート対策をはじめとした若者支援策は、「バラバラの小型予算を非効率に使い、十分な成果が出ていないのが現状」と指摘。行政が中核を担い、民間などの個別の取り組みと連携していくことが必要と語りました。

 午後は、テーマ別に▽若者のための居場所づくり▽就労支援と職場さがし▽仕事づくりと雇用▽発達障害の若者支援▽家族支援の五つの実践交流集会が開かれました。


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