2007年2月3日(土)「しんぶん赤旗」

国連の温暖化報告

各国政府に対策迫る

気温上昇 数百万人の難民発生も


 【パリ=浅田信幸】国連の「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)の第一作業部会が二日公表した第四次報告は、「人間の活動が温暖化の原因か否か」の論争に決着をつけ、各国政府に対策を強く迫る内容となっています。

 第四次報告の一部をなす「政策決定者向け要約」は、人間の活動による温暖化の可能性を90%以上とし、二〇〇一年公表の第三次報告の「66%から90%」を一段と強めました。

 温暖化を引き起こす最大の要素は、化石燃料(ガス、石油、石炭)使用で排出される二酸化炭素です。報告は社会経済構造別に六つのシナリオを予測し、今世紀末の平均気温と海面の上昇について、シナリオごとに最低と最高の予想値を明らかにしました。

 気温については各シナリオの最適予想値を示し、今世紀末には二十世紀末比で一・八度から四度上昇すると予想。同時に、最も楽観的なシナリオで一・一度、最悪のシナリオで六・四度上昇する可能性も指摘しました。

 報告は、温室効果ガスの大気中濃度が増えずに安定したとしても、「人間の活動を原因とする温暖化と海面上昇は数百年にわたって続く」と警告しています。

 地球温暖化は、具体的にはどんな影響を与えるのか。

 今日では、一九九〇年比で「二度上昇」が限度だとする見解が有力です。仏気象観測所のルトルー所長は、これを超えると「サハラ砂漠以南が乾燥化し、メコン・デルタのはんらんが頻発する」とし、数百万人規模を超える環境難民が生じると仏紙ルモンドに語っています。

 IPCCは、気候変動に関する科学的知見の評価を集約する第一部会、影響評価をする第二部会、緩和策を評価する第三部会に分かれます。四月にはブリュッセルで第二部会、五月にはバンコクで第三部会の報告書が発表されます。

 昨年十月に英政府が発表した報告「気候変動の経済的影響」(スターン報告)によれば、平均気温が三―四度上昇すると、海面が上昇し、新たに数千万人から数億人が毎年、洪水の影響を受けます。太平洋やカリブ海の島国だけでなく、東京、上海、香港、ニューヨーク、ロンドンなど、海洋に面した大都市にも深刻な影響を及ぼすとしています。

 海面上昇、洪水、干ばつにより、二十一世紀半ばまでに、新たに二億人が避難民化するとの推定もあります。


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