2007年1月30日(火)「しんぶん赤旗」

朝鮮有事

9月までに作戦改定

日米政府 空港・港湾強制使用へ


 日米両政府が、朝鮮半島での有事を想定した日米共同作戦計画の改定作業を、九月までに完了させる予定で進めていることが、二十九日までに分かりました。同作業は、有事法制(二〇〇三、〇四年成立)に盛り込まれた民間空港・港湾などの強制使用規定を、共同作戦計画に反映させるもの。米国が朝鮮半島に軍事介入した事態に、日本列島を丸ごと動員する計画づくりが進んでいます。

 これまでの日米共同作戦計画は、アジア太平洋地域に軍事介入する米軍への協力を定めた「周辺事態法」などに基づいて策定されていました。同法では、民間空港・港湾などの強制使用はできませんでしたが、有事法制の成立でそれを可能にする仕組みがつくられました。

 これを受け、日米両政府は〇五年十月、在日米軍再編に関する合意で、共同作戦計画に「日本の有事法制を反映する」ことを決め、改定作業に入っていました。

 日本共産党の緒方靖夫参院議員への内閣官房の回答によると、政府は共同作戦計画の検討を行う「関係省庁局長等会議」を〇六年十一月二十一日に首相官邸で七年ぶりに開催しました。

 その直後の十二月十三日には都内で、在日米軍副司令官と自衛隊の統合幕僚副長など日米の制服組で構成される「共同計画検討委員会」(BPC)も四年ぶりに開かれました。同委員会は、共同作戦計画の策定を実際に行う組織です。

 「関係省庁局長等会議」で日本側が政府全体で改定に取り組む方針を確認したことを受け、作戦計画の具体的な手直しを始めるために開かれたとみられます。

 政府は、改定作業の具体的内容について一切、明らかにしていません。しかし関係者は、想定シナリオについて「朝鮮半島有事だ」と指摘しています。

 日米両政府内では、同作戦計画は「5055」と呼ばれています。


 日米共同作戦計画 日米両政府が、一九九七年に合意した日米軍事協力の指針(ガイドライン)の中で、「周辺事態」などの際の具体的な米軍支援を盛り込んだ共同作戦計画の策定が定められました。

 同指針に基づく共同作戦計画は二〇〇一年九月、在日米軍副司令官と自衛隊の統幕事務局長(当時)によって調印されました。この作戦計画の検討結果は、〇二年十二月の外交・軍事担当閣僚による日米安全保障協議委員会(2プラス2)にも報告されています。


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