2007年1月23日(火)「しんぶん赤旗」
北見市ガス漏れ事故
増す不安「帰れない」
避難勧告解除 めど立たず
「ガス漏れ事故はどうして防げなかったのか」。十四人の死傷者をだした北海道北見市。老朽化した旧タイプのガス管からガス漏れがつぎつぎ見つかっています。二十二日になっても避難生活がつづく住民からは、「安全が確認されるまで自宅にもどれない」という不安とともに痛恨の思いが訴えられました。(宇野龍彦)
北見市の最低気温はマイナス一六・六度。事故発生当日(十九日)には八十人をこえる住民が小中学校に一時避難しました。いぜん十三世帯二十七人はホテルでの仮住まいを強いられ、不自由な四日目の夜をむかえています。
土中にCO残留
二十二日午前、一時帰宅した女性(60)は、駅前のホテルに避難し、ペットの犬は自宅においたまま。「私たちも早く帰りたい。でも、安全が確認されなければ、とっても不安で、自宅に帰ることはできない」と言葉も少なく、疲労感をかくしきれません。
二十二日も終日、現場道路は閉鎖され、北海道ガス(北ガス)は約四千戸を対象にしたガス漏れ緊急点検をつづけました。北見市のガス漏れ事故対策本部は、事故現場は土中に一酸化炭素が残留していて、「安全が確認できないので避難勧告解除のめどがたたない」といいます。
十七日にガス漏れの通報をうけたのに、北海道ガスの対応が遅れました。周辺住民からは、「北ガスが調べにきたことは後で知った。最初の対応で、早く手をうっていれば、十九日の事故は未然に防ぐことができたのでは」との声があがっています。
ガス中毒で両親と妹が病院に入院している男性(39)は「古い(ガス)管が使われていたということですが、いま僕が住んでいるところは大丈夫なのか心配です」と話します。「昨年(四月)、北ガスが北見市から事業を引き継いだというので、北ガスだけの責任じゃないと思うけど、北ガス、北見市、北海道、そして国も早急に安全対策をとってもらいたい」と悔しい思いをぶつけます。
離れた地区でも
三人が亡くなった事故現場から三キロも離れた地区でも二十日にガス漏れが見つかり、市民に衝撃を与えています。
ガス漏れ現場前に住む男性(68)は「(二十日に)警報器が鳴ったマンションとガス漏れが見つかった道路とは五十メートルも離れ、因果関係がわかっていないので安心できない。道路側(の配管)から家にガスが侵入してくるのは困る」といいます。
道路をはさんだ斜め前のスーパーの店主も「うちも都市ガスだし、詳しいことがわからないのでみんな不安ですよね」といいます。
北ガスに寄せられた市民からの問い合わせは二十二日昼までに約七百件。市民には日増しにガス漏れへの不安と疲労感が広がっています。
「供給管」にも亀裂
北海道北見市春光町で三人が死亡したガス漏れ事故で、地中に埋設されたガスの本管から、最初に死亡が確認された後藤京子さん(47)宅に通じる「供給管」にも亀裂の入っていたことが二十二日、分かりました。
亀裂部分やその周辺で微量のガスが検知され、道警北見署が漏れたガスの経路を調べています。
死亡した三人の家の向かい側の歩道地下には、三本の鋳鉄製のガス本管が埋設されています。うち一本で破断が見つかり、北見署が押収して調べています。
供給管は、本管から各戸にガスを引き込んでいる細い管。同署が二十一日、後藤さん宅を現場検証したところ、亀裂を発見したといいます。

