2007年1月18日(木)「しんぶん赤旗」
大震災12年 神戸・長田を歩く
ガラ空き再開発ビル
まだ復興終わってない
阪神・淡路大震災で火災などの甚大な被害を受けた神戸市長田区を歩き、復興の状況を知ろうという「メモリアル長田ウオーク」(震災復興長田の会主催)が十七日おこなわれ、兵庫県内や全国から五十人が参加しました。
JR新長田駅北側の土地区画整理地域を歩くと、いたるところで、家が建たずに広い空き地と駐車場になっていました。
滋賀県出身で昨年神戸にきた女性(23)=東灘区=は、この光景に「痛ましい」。「もう震災を思いだせないくらい復興しているだろうと思っていましたが、まだまだ震災は終わっていないと印象をもちました」と話します。
不自然なほど歩道が広くなった道路もあります。案内した森本真・日本共産党神戸市議は「こんなことをするのなら、区画整理で削られた自分の土地を返してほしい」という住民の声を紹介すると、参加者から「何でこんなことが…」という声が上がりました。
新長田駅南側の都市再開発区域では、巨大ビル(再開発ビル)が建ち並ぶ一方、プレハブの仮設店舗で営業する店がいまも数多くあります。
ビルのなかをすすむと、多くのビルの商業スペースは店がまばらで「シャッター通り」が目立ちます。負担が大きいため地元業者はビルに入れず、入っても、人口が減ったままで商売が立ちゆかず撤退するためです。
森本市議は「再開発で人口が増えて栄えるという神戸市の話に住民は期待し協力したが、まったく違った。それでも必死にやるしかなく、がんばって商売している長田の人たちを知ってください」と地元住民の思いを代弁。一同はうなずきながら聞いていました。
東京都文京区から参加した男性(35)は、「大きなビルをつくって、中はこうとは。寒ざむしく感じました。非常に残念です。初めて長田にきましたが、十二年たっても復興がすすんでいない。それは震災の影響というより、復興の仕方によるものでしょうね」と話していました。

