2007年1月16日(火)「しんぶん赤旗」

松岡農水相

セミナー名目で資金集め

金融担当相に続き閣僚パーティー

内閣“自粛規範”に抵触か


 秘書の口利き疑惑や家賃タダの議員会館を「主たる事務所」としながら高額な事務所費を計上して問題となっている松岡利勝農水相が昨年末、内閣の自粛規範に抵触する可能性のあるセミナー形式の資金集めパーティーを開いていたことが分かりました。


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(写真)松岡利勝後援会事務局の封筒とセミナーのあいさつ状

 歴代内閣では、「国務大臣、副大臣及び大臣政務官規範」(注)で大規模な資金集めパーティーの自粛を定めています。安倍内閣では、山本有二金融担当相が昨年十月二十五日に「国政を語る会」の名称で資金集めパーティーを開催しており、相次ぐ閣僚のパーティー開催は、安倍内閣の“規範意識の弱さ”として問題となりそうです。

 関係者によると、セミナーは昨年十二月二十六日午後二時から、東京都港区虎ノ門の虎ノ門パストラルの宴会場「鳳凰(ほうおう)の間」で開いたもので、参加者は五百人強はいたといいます。会費は一人二万円ですが、出されたのはコーヒー一杯だけでした。

 本紙は、「松岡利勝後援会事務局」の封筒に入ったあいさつ状を入手しました。それによれば、セミナーの名称は「二十一世紀の人口・食糧・環境セミナー」という仰々しいものです。しかし、中身は「農業と食産業との繋(つな)がり」と題して日本フードサービス協会の専務理事が講演しただけ。松岡氏は講演の前に、約二十分間、臨時国会や予算案などについて報告したといいます。

 松岡氏の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」の政治資金収支報告書によると、松岡氏は毎年虎ノ門パストラルや赤坂のアメリカ大使館近くの三会堂ビルで、「国政報告会」や「松岡利勝君と語る会」などと題して資金集めパーティーを開催、一千万円から一億円を集めています。

 二〇〇五年十二月に虎ノ門パストラルで開き、一億八百万円を集めた「21世紀を語る会」では会場費三百八十五万円を含めて経費は案内状の印刷代など合わせて七百万円足らず。一億円を超す“純益”をあげていました。

 本紙は松岡事務所にこの問題でコメントを求めましたが、十五日までに回答はありませんでした。


  「規範」は、森内閣当時、それまでの閣僚就任時の申し合わせ事項を“格上げ”したもの。株取引の自粛などのほか、「政治資金の調達を目的とするパーティーで、国民の疑惑を招きかねないような大規模なものの開催は自粛する」と定めています。


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