2007年1月10日(水)「しんぶん赤旗」
基幹産業を再国有化
ベネズエラ大統領が提案
カラカスからの報道によると、三期目入りを目前にしたベネズエラのチャベス大統領は八日、新内閣宣誓式典で演説し、基幹産業の再国有化や中央銀行の改革、憲法改正などを進める考えを表明しました。
チャベス大統領は、「国は主権、治安、防衛のための戦略的生産手段の社会的所有権を取り戻さなければならない」と述べ、電力・水道会社、通信会社の再国有化を提案。欧米諸国の石油資本と合弁で進めるオリノコ重質油帯開発プロジェクトも「ベネズエラ国民の手に渡らなければならない」として、株式の過半数を国が保有することで主導権を強める姿勢を示しました。
このほか、大統領令だけでこれらの改革を実施する権限を一年間認める特別法の制定、中央銀行の改革、「二十一世紀の社会主義」に向けた憲法改正などに着手することを明らかにしました。
チャベス大統領は十日に就任します。任期は二〇一三年までです。一院制の国会は、野党が選挙をボイコットしたため、全議席を与党勢力が占めています。