2007年1月10日(水)「しんぶん赤旗」

中東の水資源

イスラエルが支配

アラブ連盟が告発


 【カイロ=松本眞志】「中東の水問題の主要な原因はイスラエルにある」―アラブ連盟は昨年末に公表した報告で、イスラエルがパレスチナのヨルダン川西岸の占領地、ガザ地区の水資源を支配し、シリア領ゴラン高原やレバノン南部の水資源を接収しようとしていると告発しています。

 報告はアラブ連盟内の作業グループによって作成されたもので、中東通信社イスラム・オンラインが一日紹介しました。

 それによると、イスラエルが使用する水の総量は年間二十億立方メートルで、うち65%はヨルダン川西岸、ガザ地区、レバノン南部、シリア領ゴラン高原を水源としています。

 パレスチナでは年間八億五千万立方メートルの水が利用可能ですが、パレスチナ人はそのうち一億二千万立方メートル以下の水しか利用できません。しかもイスラエル人が河川や地下水、貯水池からの水を使用しているのに対し、パレスチナ人は雨水やわき水しか使えないとしています。

 これは「一九六七年の侵略以来、イスラエルが占領地から水を奪取してきた」ためと報告は指摘。「イスラエルはシリア、ヨルダン、パレスチナなどアラブ側から大量の水を奪う計画を採用した。水は常にイスラエルの軍事戦略を導く最も重要な動機の一つだった」と述べています。

 その上で、報告は、中東和平が達成された場合、アラブ諸国がアラブ側の水資源へのイスラエルの支配をやめさせ、水資源を確保する努力をおこなうべきだと呼びかけています。

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