2007年1月3日(水)「しんぶん赤旗」

独、育児休業 収入を保障

少子化対策 手当を拡充

67% 14カ月間支給


 【ベルリン=中村美弥子】ドイツで一日から現行の「育児手当」に代わり、新制度の「親手当」が施行されました。政府の期待通り、深刻な少子化に歯止めをかけられるか、注目されています。


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(写真)屋外リンクでスケートを楽しむ子どもたち=12月31日、ベルリン(中村美弥子撮影)

 この制度は、子どもの出産後、両親の一方が育児休業を取得すれば、十二カ月間は休業前の収入の67%が支給され、もう一方の親が育児休業を取得すれば、受給期間を十四カ月まで延長できるものです。手当は月千八百ユーロ(約二十八万円)を上限としています。

 両親が同時に育児休業に入る場合は、それぞれに七カ月間、給与の67%が支給されます。失業中の親には、失業手当に加え月額三百ユーロ(約四万七千円)が支給されます。

 新制度は、手当を手厚くすることで、父親の育児参加を促すねらいです。現在、男性の育児休業取得率はわずか5%。男性の育児参加が拡大すれば、より多くの女性が仕事を続けることができます。フォンデアライエン家庭相は、二〇〇七年には、少なくとも父親の四分の一が仕事を一時中断して育児に参加するだろうと期待しています。

 ドイツでは、最長三年間の育児休業を取得することができます。これまでは、子どもが満一歳になるまで月額四百六十ユーロ(約七万二千円)の育児手当、または満二歳になるまで月額三百七ユーロ(約四万八千円)のいずれかを受給することができました。ただし、七カ月目からは一定の所得制限がありました。

 独連邦統計局によると、〇四年の合計特殊出生率(一人の女性が一生のうちに産む平均子ども数)は1・36。欧州連合(EU)二十五カ国平均の1・50(〇四年)を下回っています。

 統計局は、五〇年にはドイツの人口が現在の八千二百四十万人から七千万人前後まで落ち込むと予想。出生率の引き上げが焦眉(しょうび)の課題となっていることが浮き彫りになりました。

 政府は、新制度により多くの共働きカップルが出産・育児へと踏み切ることができると期待しています。

 野党や専門家からは、財政支援だけでは少子化対策としては不十分だという声が上がっています。保育施設の増設、学校授業の半日から全日制化の促進など、特に女性が育児と仕事を両立できる環境を整備する必要性を強調しています。

 人口統計学者のクレイエンフェルト氏は独メディアのインタビューで、「“女性は子どもと一緒に家で過ごすべきだ”という認識が保守の政治家の中に根強くある」と指摘。この固定観念が、保育環境の改善を促す多くの法案を葬ってきたと説明しています。「スウェーデンでは、職場での男女の機会均等を実現するために保育所が増設されてきた。ところがドイツでは、政治家が出生率の低下を助長している」と指摘しています。


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