2007年1月1日(月)「しんぶん赤旗」

ほころび広がる自公政権

07年 激動含みの政局


 安倍・自公政権は、支持率急落に閣僚辞任という大ダメージを抱えて年を越しました。タカ派・改憲内閣の姿をあらわにする一方で、もろさが露呈しました。いっせい地方選挙、参院選挙が連続する二〇〇七年は、安倍政権と自民党政治の大本が問われ、政局波乱、政治の激動も予想される情勢です。

 「年が変われば機運も変わる」(自民党の片山虎之助参院幹事長)と念じるしかないほど安倍政権は深刻です。政治資金の虚偽報告で辞任した佐田玄一郎行革担当相の後任を早々と決めたものの、「公共事業にまつわる疑惑閣僚がまだまだいる」(国会関係者)との指摘もあります。七月の参院選を待たずして自民党内部から「内閣危機説」が強まりそうです。

草の根の反対

 政権のほころびは、自ら進める外交・内政政策と無縁ではありません。

 国民多数の反対を押し切って改悪教育基本法を成立させた安倍首相は年頭所感の柱に「憲法改正」をあげました。自民党は十七日の党大会で採択する運動方針案に、改憲手続き法案の「早期成立」と日米安保体制強化・米軍再編推進を明記。海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使=九条改悪を狙っています。

 しかし、改憲・軍事同盟強化の道は、外交交渉で紛争解決をめざす世界の流れに逆行するばかりでなく、草の根で広がる憲法改悪反対の国民世論との矛盾を広げざるをえません。「米軍再編」の名による基地強化押し付けも、基地を抱える自治体の住民ぐるみの運動は政権にとって大きなアキレスけんです。

 歴史認識をめぐって安倍首相は、「植民地支配と侵略」への「おわびと反省」を示した「村山談話」(一九九五年)と「従軍慰安婦」問題での「河野談話」(九三年)の継承を明言しました。首相はその言明をどう行動で示すのか――アジア諸国から厳しい目が向けられています。

実感と合わず

 内政はどうか。博報堂生活総合研究所が昨年末まとめた調査によると、今年、「景気がよくなる」と答えた人は29・9%で、昨年比15・8ポイントの大幅減です。政府のいう「景気回復」は国民の実感から依然かけ離れたままです。

 大企業・大資産家に一兆円の減税、庶民には定率減税全廃などで一・七兆円もの増税を強いる〇七年度予算案には「景気の先行きに陰りがでる懸念をぬぐい切れない」(「信濃毎日」、〇六年十二月二十一日付社説)との指摘が相次いでいます。しかし、安倍政権に国民の苦境打開策はみられません。

 二十五日開会予定の通常国会は冒頭から、暮らし・雇用問題が問われます。働いても生活保護水準以下の生活しかできない貧困層(ワーキングプア)は「政治全体に対して人々が爆発することもありうる」(「朝日」〇六年十二月二十七日付)問題になっています。政府は、残業代なしで何時間も働かせる「ホワイトカラーエグゼンプション」(労働時間規制の除外)の導入など労働法制改悪法案の国会提出を狙っていますが、与党内では参院選でのサラリーマン層の反発を恐れ、異論も出ています。


勝負の年 共産党全力

 いっせい地方選挙、参院選挙を各党は「天下分け目」(自民)、「最大の政治決戦」(民主)と位置付け、激烈な組織戦を展開しています。自民党は支持基盤の崩れを宣伝・組織活動で乗りきろうとし、公明党は与党として悪政を推進した逆風に直面。一方、民主党は「二大政党の対決」と叫ぶものの、地方政治では多くの自治体で「オール与党」の仲間です。

 こうした政党状況のなかで、「たしかな野党」としての日本共産党の存在がますます輝いています。

 日本共産党は今年を「勝負の年」として新年早々から第三回中央委員会総会を開き、二大選挙の前進へ向けてスタートします。自民党政治と正面から対決し、平和と暮らしを壊す悪政に真正面から立ち向かうとともに、自民、民主の双方から持ち込まれてくる「二大政党づくり」の動きを本格的に押し返し、自民党政治を大本から変える力をつけようとしています。通常国会でも、相次ぐ悪法に、論戦でも議会運営でも真正面から立ち向かおうとしています。

2007年の主な政治日程

1月4日日本共産党3中総
安倍晋三首相が年頭記者会見、伊勢神宮参拝
9日首相が欧州4カ国を訪問(13日まで)
14日東南アジア諸国連合(ASEAN)プラス3(日中韓)首脳会議と東アジアサミット(フィリピン・セブ、15日まで)
15日民主党大会(16日まで)
17日自民党大会
25日第166通常国会召集予定
2月3日社民党全国代表者会議
4月8日いっせい地方選(前半戦)投票
22日統一補選投票(参院沖縄・福島選挙区)
いっせい地方選(後半戦)投票
5月1日テロ特措法の基本計画の期限切れ
6月6日主要国首脳会議(サミット、独ハイリゲンダム、8日まで)
23日通常国会会期末予定
7月22日参院選投票(?)
31日イラク特措法期限切れ
9月8日アジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議(シドニー、9日まで)
12月末教育再生会議が最終報告書を策定
2008年度税制「改正」大綱とりまとめ

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