2006年12月29日(金)「しんぶん赤旗」

労政審分科会パート法報告

差別禁止で一定前進

実効ある抜本改正急務


解説

 厚生労働省の労働政策審議会雇用均等分科会は二十六日、パートタイム労働対策についての報告をまとめました。深刻な実態の改善、実効ある法改正を求める世論と運動が反映したものです。

 厚労省は報告を受け、来年の通常国会でのパートタイム労働法改正に向け、改正法作成に着手します。

 報告は、正規労働者と就業の実態が同じパート労働者の差別的取り扱いを禁止しました。一定の前進といえます。

 しかし、その条件として、仕事の内容や責任、人事異動が同じで長期にわたって継続的に働いているなどをあげ、対象はパート労働者のごく一部にしかなりません。担当課は、日本共産党国会議員団の質問に対し、「パート労働者の1%未満」と答えています。

 また報告は、前記以外のパート労働者については、仕事内容や意欲、経験、成果などに応じ、賃金や教育訓練などの面で正規労働者とのバランスのとれた待遇(均衡処遇)を企業が努力すること―を求めるにとどまりました。国民が「均等待遇」「正規労働者化」を掲げ、実効ある法改正を求めてきた内容と比べ、不十分です。

 全労連は二十七日、差別的取り扱い禁止の適用対象がごく狭い範囲に限られ、パート労働者全体の待遇改善策としては不十分との談話を発表。ほかの組合からも「パート労働者の中に評価、成績主義が持ち込まれ、パート労働者を分断することにつながる」など懸念の声も出ています。

 財界・大企業による正規労働者のパート労働者化がすすみ、女性や若い世代のほか、男性や世帯主のパート労働者も増えています。ワーク・ライフバランスという点でも、格差と貧困の拡大が社会問題となっている点でも、パート労働者の待遇改善は急務です。実効ある措置を盛り込んだパート法改正へ、世論と運動を強めていくことが求められています。(川田博子)


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