2006年12月28日(木)「しんぶん赤旗」

フセイン元大統領死刑確定


 【カイロ=松本眞志】イラク高等法廷は二十六日、過去のイスラム教シーア派虐殺事件への関与を理由にフセイン元大統領(69)とその側近らを死刑とした十一月の一審判決を支持し、同大統領の死刑が確定しました。事件は、一九八二年にフセインの暗殺を試みた報復として、イラク中部ドゥジェイルで発生、百四十八人が犠牲になったとされています。

 シャヒーン裁判長は記者会見で、死刑は規定により三十日以内に執行されると語りました。

 高等法廷のジュヒ報道官は、イラク憲法のもとでは、国際的な人道問題に関する犯罪に対する判決は、大統領の恩赦によっても覆せないと主張。イラク政府も、判決通りの日程でフセイン元大統領らへの刑を執行するとの立場を示しました。

 フセイン側のドゥレイミ弁護士は、判決を「百パーセント政治的動機に基づいたものだ」と批判しました。

 旧フセイン政権に抑圧されてきたシーア派住民の間では、判決を歓迎する声がある一方、スンニ派が多数を占めるバグダッド北方のティクリットでは落胆の声が聞かれます。刑が執行された場合、各種の暴動・反撃など、いっそう混乱が広がる可能性があります。

 フセイン元大統領は、一九七九年から二〇〇三年三月の米軍侵攻までイラクを統治してきました。同年十二月に米軍によって逮捕され、〇五年十月に首都バグダッドの特別法廷で初公判が開かれました。

 裁判の手続きが一方的だとする指摘は、各種人権団体などから出されていました。公判の過程でフセイン側の弁護士が殺害される事件も起こり、審理のこう着状態が続いていましたが、今年十一月に初判決が出ました。

 米中間選挙の直前だったこともあり、ブッシュ政権の選挙活動に利用されたとの指摘もあります。イラク高等法廷は、国連と関係なく米占領軍の肝いりで設置されたもので、米国は約七千五百万ドル(約八十九億円)の裁判関連費用を提供したと言われています。


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