2006年12月23日(土)「しんぶん赤旗」

米軍 イラク増派案

軍部からは反対 メディアも疑問

駐留司令官 “問題解決にならない”


 【ワシントン=山崎伸治】ブッシュ米大統領が二十日の記者会見で示唆したイラクへの米軍増派をめぐって、統合参謀本部が反対していると報じられるなど、米国で議論が起こっています。イラク訪問中のゲーツ米国防長官は二十一日、イラクのマリキ首相らと会談し、米政府として駐留米軍の短期間の増派を検討していることを伝え、協議しました。


 米メディアによると、ホワイトハウスはイラクでの六―八カ月間の作戦に一万五千―三万人を増派することを検討しています。二〇〇三年五月の主要戦闘作戦終了宣言後のイラク駐留米軍の規模は、昨年十二月に十五万二千人となり、現在は十三万四千人です。

 ワシントン・ポスト十九日付は、米政府当局者の話として、「ホワイトハウスには一カ月協議しても相変わらず明確な作戦がなく、選択肢が限られていることもあり増派案に飛びついている」と軍当局が批判していると指摘。ブッシュ大統領によるイラク政策変更の発表が年明けに持ち越された背景に、政権と軍当局との対立があることをうかがわせています。

 反対の理由として軍当局は、イラク治安部隊への任務の移譲が遅れることのほか、米軍への攻撃を防ぐ一時しのぎにしかならないことをあげています。イラク駐留軍を管轄する中央軍のアビザイド司令官は十一月十五日の議会証言で、「今すぐ米軍を増派することが問題の解決になるとは思わない。兵力レベルは今のままであるべきだ」と述べ、増派に否定的な考えを表明していました。

 増派への疑問はメディアからも出ています。USAトゥデー二十一日付は社説で、増派される部隊の任務や派遣期間、規模などが明確でないことをあげ、「増派の議論は膨らむが、何をするのか誰にも分からない」と指摘しています。

 ゲーツ長官は二十一日のイラク側との会談後の記者会見で、「イラク政府がいくつかの課題への対処では主導的役割を果たすことを強く望んでいるとのメッセージを受け取った」とし、増派について具体的な数は議論しなかったと述べました。


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