2006年12月17日(日)「しんぶん赤旗」

温暖化ガス

2020年までに30%減

市民シンポ 環境NGOが提案


 地球温暖化防止にとりくむ環境NGOの気候ネットワーク(浅岡美恵代表)は、気温上昇を二度以内におさえるために二〇二〇年に国内の温暖化ガスの一九九〇年比30%削減を達成する目標を十六日、提案しました。環境市民団体が京都議定書にかかわる国内の中期目標とシナリオをまとめたのは初めて。

 同日から京都市で始まった「市民が進める温暖化防止2006」シンポジウムで「30%削減は二〇二〇年までに」と、報告したのは気候ネットワーク研究室の深沢大樹さん。地球の気温上昇を産業革命による工業化以前と比べて二度以内におさえるには、二〇五〇年代までに日本など先進国が一九九〇年比60―80%の削減を求められていることから、中間点として30%削減の目標を設定。二〇二〇年までに実行が可能な省エネや自然エネルギー導入などの技術や政策措置を検討し、家庭・事業部門の温暖化ガス排出量を試算した結果、家庭部門で43%減、事業部門20%減、あわせて30・5%減という結果になりました。深沢さんは「30%削減は容易ではないが、達成は可能だ」と報告しました。

 浅岡代表は、一九九七年の京都議定書採択から九年たったものの「日本の排出量は削減どころか増え、政府がなかなか動いてくれない。市民がメッセージを出していくことが大事です」と訴えました。

 シンポでは、30%削減を目指し市民はなにができるのか、「二〇二〇年に自然エネルギー20%を目指して」などをテーマに、行政や企業、市民団体の代表、研究者がパネルディスカッションし、「日本に欠けているのは環境政治だ」と、政治の転換を訴える意見が相次ぎました。


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