2006年12月10日(日)「しんぶん赤旗」

石原都知事と三男の衆院議員

水谷建設元会長と祝宴

昨年の総選挙直後


 石原慎太郎東京都知事と三男・石原宏高衆院議員(自民党)が昨年九月、水谷建設元会長の水谷功被告=巨額脱税事件で公判中=と料亭で会合をもっていたことが赤旗日曜版編集部の調べで分かりました(10日号に掲載)。

 会合は昨年九月の総選挙直後、宏高議員の初当選を祝おうと糸山政経塾塾長の糸山英太郎元衆院議員が呼び掛け、東京・銀座の高級料亭「吉兆」で開かれました。

 参加したのは両氏のほか、石原都知事、同塾生である埼玉の石材業者、水谷被告。

 水谷被告は、福島県知事汚職事件で、知事側へのわいろ提供に関与した人物。法人税法違反(脱税)の罪で起訴され、八日の初公判で検察側は冒頭陳述で脱税の動機について、工事の受注工作の「裏金を捻出(ねんしゅつ)するため」などと指摘しました。当時から政商として知られています。

 注目されるのは会合の内容です。当時、糸山事務所の秘書室長だった人物(現在退職)は編集部に証言しました。

 「会合の数日前、糸山氏から『宏高氏に当選祝いを渡そうと思う。水谷氏に五百万円出してほしいから連絡してくれ』と指示があった」

 「以前から知り合いだった、水谷氏の知人女性に『当選祝いを持って行くので水谷さんとして五百万円を用意してくれないか』とお願いした」

 女性は会合の当日、「紙袋」持参で元秘書室長を訪問しました。

 「中の札束は確認していないが、当然五百万円だと思った。紙袋は経理担当の別の秘書に『水谷からの例の五百だよ』と言って渡した」と元秘書室長は話しています。

 宏高議員が代表の資金管理団体や自民党支部の政治資金収支報告書には、水谷被告側からの献金の記載はありません。

 宏高議員は「水谷さんとはその時が初対面だった。水谷側から金銭は一切頂いていない」と話しています。

 糸山氏は秘書を通して「水谷氏は参加したが、お金を依頼したことはない」と回答。水谷被告の弁護士は「すべての問題にコメントできない」としています。


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