2006年12月5日(火)「しんぶん赤旗」

ベネズエラ チャベス大統領3選

「国民に優しい政治」

米支持候補を圧倒


 【カラカス=菅原啓】三日に実施されたベネズエラの大統領選挙ではチャベス大統領が大差で当選しました。これは、約八年にわたるチャベス政権の政策が多くの国民に浸透し、大きな支持を得ていることを示しました。

 「チャベス大統領の政策は、私たち貧しい国民に心を寄せているものばかり。白内障の手術を無料で受けた人もいるし、私の子どもたちも無料で大学に通えるようになった。こんなに国民に優しい政府はこれまで一度もなかった。こういう政策をもっと続けてほしい」

 首都カラカス東部、地下鉄ペタレ駅近くの投票所。四時間も列に並んで投票を待っていた女性アンヘリカ・フィゲラさん(50)が、チャベス大統領を支持する理由をこう語りました。

 三日は、二〇〇二年十二月にチャベス政権の転覆を狙う財界、親米勢力がベネズエラ最大の輸出品目である原油生産を停止する石油ストを開始した日からちょうど四年目にあたりました。ストは経済全体に深刻な打撃となりましたが、ストの終結(翌年二月)後、国営石油公社の再編を進めたチャベス政権は、原油生産量を回復するとともに、原油輸出収入を、さまざまな社会開発プログラムに活用していきました。

 無料の医療プログラムは、〇三年から〇六年九月までにのべ二億三千万回(人口の九倍)に達し、成人教育のプログラムでは、百五十五万人が読み書きを習得し、三十三万人が初等教育を修了するなどの成果を挙げています。

 原油価格の高騰にも支えられ、経済も順調に回復し、失業率は最悪だった〇三年の19・2%から9・6%へと低下、国民全体、とくに貧困層の生活水準が向上してきました。

 チャベス大統領は、利潤追求を第一とする資本主義の枠組みにとらわれない、国民生活向上を重視した社会改革を「二十一世紀の社会主義」と呼び、これをさらに発展させることを訴えました。

 これにたいし、市場にすべてまかせればうまくいくという新自由主義推進の財界や米国に支えられたのがロサレス候補です。チャベス政権の社会開発プログラムは継続すると公約する一方で、石油収入が途上国支援に活用され、国民生活向上は後回しだ、キューバ型の「共産主義」に向かっているなどと攻撃を繰り返しました。

 しかし、こうした批判は、チャベス政権の社会開発分野での豊富な実績の前に迫力を欠きました。

 ペタレ駅からバスで二十分。山の斜面にレンガ造りの粗末な家が折り重なるように建っているカジェホン・トーレ地区では、「ロサレスや野党はいろいろいいことをいうが、彼らは金持ちや米国の代表だ。ロサレスが勝てば過去への後戻りだ」という辛らつな批判の声が渦巻いていました。

 電信柱にはチャベス候補への投票を呼びかけるポスターに「やつらが戻るのを許さない」の文字。選挙結果はまさに、新自由主義や米国言いなりといった「過去」のベネズエラを代表する野党勢力の政権復帰にノーを突きつけたものとなりました。


関連年表

1998年12月 大統領選挙で、「貧者救済」「汚職一掃」を掲げたチャベス元陸軍中佐が56%の得票で勝利
 99年12月 新憲法案を国民投票で批准
2000年7月 新憲法に基づく大統領選挙でチャベス氏が約60%の得票で再選
 02年4月 実業家や国軍内の反チャベス派将校によるクーデター。チャベス氏一時、監禁。国民の抗議行動で復帰
 02年12月 反チャベス派の労組中心に2カ月のゼネスト開始
 04年8月 野党から出された大統領罷免要求の国民投票。反対が約60%を占めて否決
 05年12月 国会議員選挙。野党がボイコットし、与党が圧勝
 06年12月 大統領選挙でチャベス氏が3選


ベネズエラ どんな国

正式名称 ベネズエラ・ボリバル共和国
人  口 約2700万人。混血66%、白人22%、黒人10%、先住民2%
言  語 スペイン語
宗  教 カトリック教徒92%
面  積 91万2050平方キロ(日本の約2.4倍)
首  都 カラカス
政治体制 共和制。大統領任期6年。1院制
国内総生産 1093億ドル(2004年)
資  源 石油、天然ガスなど。原油確認埋蔵量は778億バレル(04年推定)で世界第6位、生産量は日量256万バレル(04年)で第8位。石油が輸出総額の約80%(同)、国庫歳入のおよそ50%を占める(同)


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