2006年12月3日(日)「しんぶん赤旗」

近未来通信

月80万 実は20万円も

過大収益宣伝 オーナー勧誘


 インターネットを使ったIP電話事業にからんで投資家から巨額資金を集めていた「近未来通信」(東京都中央区、石井優社長)の勧誘手口の一端が、本紙が二日までに入手した関連資料でわかりました。月八十万円の収入が見込めるかのように細かな数字をあげた資料を投資家に示す一方、実際の収入は二十万円の月もありました。

 同社は、「中継局オーナー」制度として、電話の中継局の設備費などとして投資家から数百億円を集めていました。

 「海外フィリピン中継局の収益プラン」と題する投資家向け文書には、「モデル収益」として、「月間着信稼働率75%」で八回線分を計算、ランニングコストを差し引いた「月間収益」を八十七万三千円としていました。

 さらに、文書では「フィリピン局の利点」として、日本からフィリピンへの発信は、アメリカ、中国に次ぐもので需要が高く、「非常に高い稼働率と収益が見込めます」とうたっています。

 ところが、あるオーナーの「フィリピン中継局売り上げ・収益の推移」によると、「モデル収益」の八十七万円に達したことは一度もなく、最高でも五十五万円、直近の今年八月には二十万円にまで落ち込んでいました。

 総務省の調べでは、近未来通信のIP電話などの通信料収入は二〇〇五年七月期で三億円でした。売上高百八十一億円の大半は投資家から集めた「サーバー」販売収入や機器の保守管理費用とみられ、通信料収入から配当するという同社の説明に反し、オーナーへの配当に回っていた疑いも指摘されています。


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