2006年11月29日(水)「しんぶん赤旗」

福島県汚職事件 公選法違反で自民県議ら起訴


解説

県議1人ではすまない

水谷建設(三重県桑名市)の脱税事件に端を発し、前知事の佐藤栄佐久被告の逮捕に発展した福島県汚職事件―。談合で得た裏金を知事実弟の佐藤祐二被告から受け取ったとして、新たに自民党の県議らが在宅起訴されました。

 これまで祐二被告も、集めた裏金を選挙で県議らに配ったと認める供述をしており、立件は当然です。しかしこれで終わりにするなら、とうてい県民の納得はえられません。

 祐二被告は二〇〇四年の知事選挙で、約三百二十社の地元業者で組織する「福島県建設業協会」の支部を介すなどして約一億円、さらに談合で県工事を受注した東急建設、奥村組などから数千万円を受領。集めた裏金は約二億円にのぼるとみられます。さらに、少なくとも過去三回の選挙で毎回二億円、計六億円もの裏金を集めたと指摘されています。

 この金が選挙の際に、県内の各地域ごとの有力者に分配されたとみられ、金額の大きさからみても、裏金を受領した県議は決して一人にとどまるものではありません。

 官製談合で不当に得た六億円もの県民の血税の行方は、徹底して明らかにすべきです。(阿曽 隆)

徹底的な調査を党県委など要求

 日本共産党福島県委員会、同福島県議団、みんなで新しい県政をつくる会は二十八日、佐藤祐二被告、自民党県議らの起訴について、当然のこととしつつ、「氷山の一角にすぎない」「ウラ金を受け取った県議らが、その金をどうしたのか、だれに渡したのか、末端まで含めて徹底的に調査し、県民の前に明らかにする必要がある」とするコメントを発表しました。

 また、会派として「潔白宣言」を出した自民党について、「起訴された県議がウソをついていた」ではすまされないとして、責任を明確にするとともに、今回起訴された県議以外にウラ金を受け取った県議がいないのか、改めて調査して県民の前に明らかにするよう求めています。


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