2006年11月29日(水)「しんぶん赤旗」

「いじめ問題」 志位氏指摘に

10年前の通知を持ち出すが…

文科相、苦しい言い訳


 伊吹文明文部科学相はNHKテレビ「日曜討論」(二十六日)で「(いじめに対する)文部科学省の指導にも、若干問題があったと反省している」とのべました。ところが二十八日の参院教育基本法特別委員会では、日本共産党の仁比聡平議員への答弁で「平成八年(一九九六年)にすでに通知を文科省は出している。それをさらに徹底しなければならないということだ」として、誤りを認めたのではないと答弁しました。

 テレビではまったく触れなかった「通知」を持ち出して、言い訳をはかったものです。

 この問題で最初に指摘したのは、衆院教育基本法特別委員会(十月三十日)での日本共産党の志位和夫委員長の質問です。志位委員長は、学校のいじめ隠しの背景にある「いじめ件数が多いか少ないかで学校と教員を評価するやり方」について批判しました。

 これにたいして伊吹文科相は「目標を立てていじめを減らすやり方をやめろということはちょっと本末転倒だ」と答えました。

 その後、冒頭の「日曜討論」で伊吹文科相は「いじめが『ゼロ』である学校が『良い学校』だという打ち出し方をすると、みんなよく見てもらいたいと思い、教師はそれを隠すし、教育委員会は報告しない」「教育行政の(いじめの)評価のあり方を変えないといけない」と発言。文科省の指導に問題があったことを認めました。

 この発言について志位委員長が「法案の一つの破たんをみずから認めるもの」(CS放送、本紙二十八日付)と指摘すると、二十八日の参院特別委で、今度は十年前の通知を持ち出し、文科省の指導は誤りでなく、徹底不足だったと言い始めたのです。

 伊吹文科相の発言は、九六年の通知にある「いじめの多寡以上に、いじめに如何に迅速かつ適切に対応し、早期に真の解決を図るかが大切である」という部分を読み上げ、それを徹底しなさいという趣旨だというものです。しかしそれでは「教育行政の(いじめの)評価のあり方を変えないといけない」というテレビの発言とは食い違います。

 伊吹文科相は「しんぶん赤旗」の志位委員長の発言をとらえて、“反論”したつもりでしょうが、教育基本法改悪法案の破たんぶりをさらに示しただけです。


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