2006年11月27日(月)「しんぶん赤旗」

松岡農水相に686万円献金

林野談合の企業・団体


 農林水産省所管の独立行政法人「緑資源機構」(川崎市)発注の林道整備事業などの入札で談合を繰り返していたとして、独占禁止法違反(不当な取引制限)の疑いで十月末、公正取引委員会の立ち入り検査を受けた公益法人や会社から、松岡利勝農水相(衆院熊本3区)が、多額の献金を受け取っていたことが本紙の調べでわかりました。


 受注予定者の決定に同機構職員がかかわった官製談合の疑いも指摘されており、農水相の監督責任も問われます。

 立ち入り検査を受けたのは、林業土木コンサルタンツ▽林野弘済会▽林業土木施設研究所▽日本森林技術協会▽森公弘済会など同省所管の公益法人と、森林テクニクス▽フォレステック▽ウェスコなど民間のコンサルタント会社の計十数法人。

 松岡農水相が支部長の自民党熊本県第三選挙区支部と、同氏の資金管理団体「松岡利勝新世紀政経懇話会」に献金していたのは、林野弘済会、フォレステックなど。林業土木コンサルタンツ、日本森林技術協会の出資会社を含めると、献金額は一九九六年から二〇〇五年までの間、計六百八十六万円にのぼっています。(表参照)

 公正取引委員会は〇一年十二月にも林野庁の東北森林管理局青森分局管内の国有林野の調査・測量業務の入札で一九九七年四月ごろから談合が繰り返されていたとして、四つの公益法人を含む十五社を独禁法違反で排除勧告しました。今回の立ち入り検査を受けた法人、会社はかなり重複しています。

 これら公益法人の役員には、林野庁OBが多数名前を連ねています。林野弘済会の会長は元林野庁長官で、二人の常務理事、五人の常勤理事はいずれも林野庁OB。日本森林技術協会も理事長は北海道森林管理局長で、専務理事は林木育種センター所長など。林業土木コンサルタンツの常務理事も北海道北見営林支局長です。

 発注元の緑資源機構も理事長は元林野庁長官、五人の理事中三人が林野庁OBです。

 松岡農水相は、林野庁OBで、自民党農林部会長、国有林野問題委員長、衆院農林水産委員長、農水副大臣などを歴任しています。

 公益法人は、不特定多数の利益実現を目的としています。それが談合によって不当な利益をあげ、その一部を林野行政に強い影響力を持つ政治家に“還流”させていたことになり、徹底的な解明が必要です。


緑資源機構をめぐる談合関連法人・企業から松岡農水相への献金(万円)
 林野弘済会 184
 林業土木コンサルタンツ 96
 日本森林技術協会 36
  (旧日本林業技術協会)
 フォレステック 148
 旭友林業※ 72
 大成林産※ 78
 太平林産※ 36
 林野弘済機工※ 36
《注》政治資金収支報告書で作成。※は林野弘済会、林業土木コンサルタンツの出資会社


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