2006年11月24日(金)「しんぶん赤旗」

与党が第一党維持

オランダ総選挙

社会党は議席3倍


 【ベルリン=中村美弥子】オランダで二十二日、下院選挙(百五十議席、比例代表制)が投開票されました。バルケネンデ首相率いる与党のキリスト教民主勢力(CDA)が議席を減らしながらも、第一党の座を維持しました。最大野党の労働党が議席を減らしたなか、社会党が議席を三倍化させ、第三党へと大躍進を果たしました。

 選挙結果によると、CDAは改選時四十四議席から三議席減の四十一議席、連立相手の自由民主党(VVD)は同二十六議席から四議席減の二十二議席と与党が苦戦。緊縮財政のもと社会保障を削減し、大企業と金持ちを優先させてきたバルケネンデ政権に国民が厳しい審判を下しました。

 野党では、労働党が改選時四十二議席から十議席を減らして三十二議席。一方、社会党は同八議席から二十六議席へ大幅に躍進しました。

 社会党のマリイニッセン党首は支持者に向けて、「きょうはオランダにとって歴史的な日だ。より思いやりのある、より社会的な政府を求める国民の願いを示した結果となった」と喜びを語りました。

 社会党は選挙戦で、バルケネンデ政権を正面から批判。教育、社会保障の向上、難民や移民への支援拡大など低所得者層や高齢者、移民など社会的弱者に重点を置いた政策を訴えてきました。バルケネンデ政権への批判票が労働党ではなく、政府により鮮明な対決姿勢を示した社会党に流れた形となりました。

 今回の総選挙では、二〇〇二年に連立政権に参加したフォルトゥイン党が議席を失った一方で、公然と外国人排斥を訴えた極右の自由党が九議席を得て初めて議会に進出しました。

 数日中に国家元首のベアトリックス女王が組閣担当者を任命し、組閣作業が開始されます。与党のCDAとVVDの議席を合わせても議会の過半数に届かないなか、連立協議の難航が予想されています。


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