2006年11月24日(金)「しんぶん赤旗」

狙いは“票と金”

ご都合主義に国民も「あきれる」

自民 郵政「造反組」の復党急ぐ


 自民党は郵政民営化「造反組」の復党に向けた動きを本格化させています。

 同党は二十一日、党本部で党紀委員会の懇談会を開き、郵政民営化「造反組」の復党について非公式に協議しました。翌二十二日には、中川秀直幹事長が「造反組」の窓口役の平沼赳夫元経済産業相と会談しました。中川幹事長ら執行部は月内を期限に復党申請を受け付けた上で、党紀委員会での審査など具体的な手続きに入る方針です。

 昨年九月の総選挙で小泉前首相は、“郵政民営化は改革の本丸”“郵政民営化の是非を問う選挙にしたい”と叫び、自民党はこれを唯一・最大の争点として押しだしました。郵政民営化に反対した議員は公認せず、「刺客」までたてて、民営化反対議員つぶしを“演出”しました。

無節操あらわ

 それを、一年余りで手のひらを返すように復党させる―自民党の無節操ぶりがあらわになっています。「いくら党内事情とはいえ、国民をこれほどバカにしたご都合主義にはあきれ果ててしまう」(「朝日」十六日付「声」欄)など、国民の批判は強いものがあります。JNNの世論調査(十一、十二日実施)では復党に賛成31%に対し、反対は55%と大きく上回っています。

参院選有利に

 復党話の最大の動機は来年の参院選挙です。自民党の青木幹雄参院議員会長は、与党が過半数割れすれば「法案が通らず、安倍内閣も自民党も完全に死に体だ。衆院を解散して民意を問えということになる」(十二日)と危機感を抱いています。

 当面の復党対象者は、十二人の現職無所属議員。「刺客」を送りこまれても勝ちぬいた、これらの議員は後援会組織など支持基盤も強く、自民党にとっては、参院選勝利へどうしても支援=票が欲しいというわけです。

 同時に、金の問題もあります。年内に復党させれば十二人分の政党助成金として二億数千万円を自民党が手にすることができます。

 まったくの党利党略に、党内には国民の理解が得られないと懸念する声もありますが、首相周辺は「早期に復党を決めて有権者に説明した方が得策だと判断」(「朝日」十日付)したと報じられています。“早めに処理しておけば、参院選のころには有権者も忘れているだろう”という下心が透けて見えます。


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