2006年11月20日(月)「しんぶん赤旗」
APEC閉幕
北朝鮮核問題 平和的解決に努力
核開発の放棄求める
【ハノイ=鈴木勝比古】約一週間にわたったハノイでのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の一連の会議は、北朝鮮の核問題をめぐって最終日まで意見調整を続けた結果、首脳会議議長による口頭声明の発表という形で合意しました。核問題の平和解決に向けて国際社会の一致した対応を求める国際的な世論を受け、各国首脳らの外交努力の成果といえます。
各国は北朝鮮の核実験を深く憂慮し、その平和的解決を求める基本姿勢では一致しています。しかし、これまで国際世論を無視してきた北朝鮮の態度を変えさせ、六カ国協議を早期に再開し、北朝鮮に核開発を断念させるための具体的で効果的な対応をめぐっては意見が分かれました。
日本は北朝鮮にいっそう圧力を加える態度で臨むことを主張。安倍首相は各国との個別会談で「対話と制裁の継続」「北朝鮮に圧力をかけ続ける」と強調しました。米国は中国の役割の大きさを指摘し、中国との協力を強めていく意向を示しました。
中国や韓国は国連の制裁決議実施には同意した上で、北朝鮮を六カ国協議に復帰させるため、これ以上緊張を高めるべきではないという態度をとりました。
中国は日本、米国、韓国との首脳会談でこの姿勢を貫きました。各国とも六カ国協議の議長国である中国の意見には耳を傾けました。韓国の盧武鉉大統領も「対話と圧力の適切な組み合わせ」(十八日の日米韓首脳会談)と述べて、圧力を重視する日米とは異なる態度を示しました。
東南アジア諸国連合(ASEAN)諸国は、「六カ国協議の早期再開を求めるとともに、各国が情勢を悪化させないよう自制を求める」(十月十五日のASEAN議長声明)として、平和的な解決への関係各国の理性的な対応を求めてきました。
議長国ベトナムは、「APECは経済会議だが、政治・安全保障についても各国首脳が自由に発言できる」(レー・コン・フンAPEC高官会議議長)として、この問題の討議に門戸を開いてすべての加盟国に意見を求め、コンセンサスによる合意形成をめざして各国の意見を繰り返し求めました。十七日夜をめどに最終的に意見集約して声明を仕上げようと努力しましたが、意見調整は最終日の十九日までもつれこみました。
米国家安全保障会議のマコーミック氏は、口頭声明は後退ではないのかとの米記者の質問に「米政府は(声明の)言葉の強さを歓迎する」と答え、「声明は国連決議の全面履行の必要性にしっかりと触れている。重要なことはAPEC加盟諸国が共通の声明にともに到達したことだ」と語っています(米紙インターナショナル・ヘラルド・トリビューン十九日付電子版)。
今回のAPECの北朝鮮の核問題をめぐる論議と合意は、紛争の平和解決を求める国際社会の総意に基づく一致した行動が、世界の主要な流れになっていることを強く印象付けました。

