2006年11月18日(土)「しんぶん赤旗」

多重債務根絶へ国際会議

日本業者のアジア進出に警告


 日本のサラ金問題と同様にアジア各国でも多重債務問題が広がっていることを受け、「第一回多重債務対策国際会議」が十七日、鹿児島市内で開かれました。日本、韓国、台湾の出席者が状況を報告し、「多重債務根絶に向け、今後も取り組みの交流を」などと議論を交わしました。この問題での本格的な国際会議は初めてといいます。

 全国クレジット・サラ金問題対策協議会の主催。三カ国の弁護士や高金利被害者らが報告者やパネリストを務めました。

 台湾の黄馨慧(コウ・ケイケイ)弁護士は、近年、三十―四十歳台で子どもを持つ失業者がヤミ業者から借金するケースが問題化していると紹介。「200%以上の高利で、無収入のため返済は滞る。当然、暴力的な取り立てが始まり、逃げ出したあげくに一家心中する」と話しました。

 日本弁護士連合会上限金利引き下げ実現本部の新里宏二事務局長は、今年九月に金融庁と自民党が金利制度改革案に盛り込んだ「高金利特例」などを、被害者らの運動で撤回させた経緯などを紹介しました。

 韓国の宋太京(ソン・テギョン)民主労働党政策室長は、「高利貸付業者は200%超という違法な高金利で営業しているが、政府は充分に管理監督しない。多重債務者は約五百万人、人口の10%に達する」と報告。同国の高金利被害者女性(25)は、ヤミ金業者に「逃げないようにおれと一緒に住め」と脅迫された経験を紹介しました。

 多重債務問題を研究している金城学院大学の大山小夜助教授は、大手アコムが九〇年代からタイに進出している実態を紹介。「国内業者はアジアを魅力的な市場と見なしている」と語りました。


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