2006年11月15日(水)「しんぶん赤旗」

APEC会議きょうから

「北朝鮮の核」焦点

自由貿易協定で駆け引きも


 アジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議が十八、十九の両日、これに先立つ閣僚会議が十五、十六日にベトナム・ハノイで開かれます。一連の会議では北朝鮮の核開発への対応が焦点の一つとして注目されます。経済分野では、APEC加盟二十一カ国・地域が自由貿易協定(FTA)を結ぶという米国発の「アジア太平洋FTA」(FTAAP)構想をめぐるかけひきも注目点になりそうです。(井上歩)


 今回のAPECは、北朝鮮の核実験実施後、再開が合意されている六カ国協議に参加する国のうち北朝鮮以外の五カ国首脳が初めて集まる場になります。日米は北朝鮮を除く「五者がまとまったというメッセージを北朝鮮に伝える」(麻生外相)ことを強調。しかし麻生外相がふれた「五者協議」は、その後すぐ日本自身が「五カ国協議はないだろう」(谷内外務事務次官)と打ち消しています。

核放棄どう迫る

 北朝鮮の核問題については、日米韓三カ国の外相会談か首脳会談開催が検討されています。

 一連の会談では、再開される六カ国協議の議題や、昨年九月の共同声明の実践方向を含め、北朝鮮にどう核の放棄を求めていくかなどが話し合われるとみられます。

 議長国ベトナムの外務次官は、北朝鮮の核問題がAPEC首脳会議で話し合われる見通しを明らかにしています。

 日本、米国、中国、ロシアなどの個別の首脳会談でも、北朝鮮の核問題が主要議題になるとみられています。

東アジア中心に

 経済問題ではFTAAPが関心の的となっています。米国が今回の会議に合わせ、議長国や日本などに提案しました。

 しかし、中国が東南アジア諸国連合(ASEAN)とFTAを結び、日本も東アジア中心の経済連携構想(EPA)を打ち出すなど、東アジア中心の経済統合が進んでおり、米国提案は歓迎されているとはいい難い状況です。十三日に明らかになったハノイ宣言案はFTAAPを「将来の目標として検討されるべき」ものと位置づけ、短期的目標からは外されています。

 米国提案の背景には、世界貿易機関(WTO)新多角的貿易交渉(ドーハ・ラウンド)が七月から頓挫するなかで東アジアで経済統合が進んでいることがあり、米国にはアジア市場への関与が薄まることへの焦りがあるとみられます。

 他方で、加盟国の貿易自由化を目標に掲げるAPECでは、ドーハ・ラウンド再開を求める特別声明が採択される予定です。

 APECの場を活用して、米中など各国首脳の個別会談が多数行われます。安倍政権初の日米首脳会談も十八日に予定されています。米中間選挙の共和党大敗でブッシュ政権に対する米国民の明確な意思表示がされた後で、安倍首相がイラク戦争支持など小泉前政権と同様の対米追随を続けるか、などが問われています。

地図


 APEC アジア太平洋地域における政府間経済協力の場として、一九八九年に発足しました。参加国は十九カ国二地域。環太平洋地域の多国間経済協力の促進の討議を目的とし、首脳会議、外相、経済担当省による閣僚会議を年一回、高級事務レベル会合を随時、開いています。閣僚会議や首脳会談ではその時々に焦点となっている地域内の政治問題についても協議されることが多くなっています。このAPECの機に、二国間など多くの首脳会談も開かれます。


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