2006年11月9日(木)「しんぶん赤旗」

国民保護計画協議会設置条例とは?


 〈問い〉 今、各市町村において、「国民保護計画協議会設置条例」作りがすすめられています。国民を保護するとは名ばかりで、テロ対策を口実に、国民を戦争がおきるムードになれさせるためのものではないかと不安に感じています。日本共産党はどのような見解を持ち対応されているのでしょうか?

(沖縄・一読者)

 〈答え〉 「国民保護法(武力事態における国民の保護のための措置に関する法律)」が、2004年の国会で成立しましたが、これはアメリカが海外で引き起こす戦争に日本を引き込み、自衛隊の支援活動に罰則付きで国民を動員するという、「武力攻撃事態法」(03年6月成立)に基づく、きわめて危険な法律であるため、日本共産党は反対しました。「国民保護(計画)協議会設置条例」は、自衛隊幹部なども参加する国民保護協議会を自治体に設置するための条例で、この協議会で「国民保護法」が自治体に義務付けている「国民保護計画」の策定作業がすすめられます。

 今年度をめどにすべての市町村で「国民保護計画」を作る作業が進んでいますが、日本共産党は、地方議会での「国民保護(計画)協議会設置条例」や「有事」のさいに対策本部を設置するための「国民保護対策本部条例」の制定にも反対しています。

 基本的に、「国民保護法」は災害救助における住民避難計画などとは根本的に性質の異なるもので、政府も、「災害は、地方が主導するのに対して、有事法制は、国が主導する」、つまり、米軍・自衛隊の軍事行動を最優先し、その円滑な行動を図るためのものだと説明しています。同法はまた、自治体に対して病院や学校、公民館など自治体の施設を米軍・自衛隊に提供したり、医療関係者・輸送業者などを動員することを義務づけ、各種公共機関・民間業者を「指定公共機関」として国の方針に従わせる責務を押し付けることを内容としています。

 「国民保護計画」というと、災害救助における住民避難計画のようなものと思われがちですが、地方自治体に課せられるのは、米軍・自衛隊の軍事行動を優先し、国民をアメリカの戦争に動員する計画づくりが中心となります。

 このような問題のある「国民保護計画」を策定するための「国民保護(計画)協議会」設置に日本共産党は反対ですが、各自治体が今後提示してくる「計画」案にたいしては、徹底した情報公開を求めるとともに、それぞれの自治体が置かれている具体的な状況や条件にしたがって、具体的に問題点を洗い出し、それらへの住民や関係者の不安や疑問を幅広く集約して、一つひとつ問題としてとりあげていくことが大事だと考えています。(小)

 〔2006・11・9(木)〕


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