2006年11月3日(金)「しんぶん赤旗」

新国際労組組織を結成

格差拡大・権利侵害に対応

ウィーン


 【ウィーン=浅田信幸】オーストリアの首都ウィーンで開幕した労働組合の新しい国際組織、国際労働組合総連合(ITUC、略称グローバル・ユニオン)の結成大会は初日の一日、規約を全会一致で採択し、ITUCの結成を宣言しました。この大会には全世界の三百を超す労働組合ナショナルセンターの代表約千七百人が参加しました。

 ITUCは、前日に解散した国際自由労連(ICFTU)と国際労連(WCL)の傘下の労組と新たに結成に加わった労組を合わせ、計百五十四カ国・地域の三百六ナショナルセンターを結集。組合員一億六千八百万人を擁する世界最大の国際労働組合組織となります。

 新国際組織の結成は、新自由主義路線にもとづくグローバル化の下で貧困や貧富の格差の拡大、失業増、労働者の権利の侵害が世界的に拡大する事態に対応し、より強大な統一した労働組合が必要だとの時代の要請に応えるために準備が進められてきました。

 採択された規約の前文にあたる原則宣言は、「グローバル化した経済の諸条件が求める国際的行動を通じて、貧困、飢餓、搾取、抑圧、不平等とたたかう」と基本目標を設定。平和の問題では「大量破壊兵器のない世界と全般的軍縮」をめざすとともに、「すべての人民の自決権」と「侵略と全体主義を排し、みずから選ぶ政府のもとで生活する権利」を擁護し、「国連の原則と役割に揺らぐことのない支持」を表明しています。

 またITUCの性格については「統一的、複数主義的」であるとし、それぞれの自主性と相違性を尊重しつつ「民主的で独立した代表性のある」ナショナルセンターの加盟に門戸を開くと宣言しました。

 大会は三日、ITUC綱領を採択し、指導部を選出して閉幕します。


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