2006年11月2日(木)「しんぶん赤旗」

教育基本法見直し発言誘導

政府が「やらせ」

タウンミーティング青森県に依頼文書 内閣府認める

石井議員が追及


 九月二日に青森県八戸市で行われた「教育改革タウンミーティング」で、内閣府が県教育委員会に依頼して教育基本法改悪法案に賛成するよう学校関係者に「やらせ質問」をさせていたことが一日の衆院教育基本法特別委員会で明らかになりました。


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(写真)質問する石井議員=1日、衆院教基法特別委

 日本共産党の石井郁子議員が裏付ける文書を示したのに対し、内閣府の土肥原洋総括審議官は「内閣府が作成したもの」と認めました。石井氏は「教育基本法にかかわって世論誘導するのは重大だ」と批判。塩崎恭久官房長官は「調査して報告する」と約束しました。与野党議員から「とんでもない」「大問題だ」とのヤジが飛び、委員会室は一時紛糾しました。高橋千鶴子議員も十月三十一日の同委員会で指摘していたものです。

 問題の文書は八月三十日に、青森県の三八教育事務所が、ある中学校の校長あてにファクスで送ったものです。「タウンミーティングの質問のお願い」と題し、二枚目に質問のひな型として、(1)時代に対応すべく、教育の基本となる教育基本法は見直すべきだと思います(2)改正案は「公共の精神」などの視点が重視されていて共感している。改正をきっかけに思いやりのある社会の実現を目指すべきだ(3)教育の原点はやはり家庭教育だと思います―の三つが書かれています。文書は、「誠に申し訳ありませんが、…当日に(2)の質問をお願いします」としています。

 さらに九月一日には、今度は県教育庁教育政策課から同じ校長に対して、「『タウンミーティング』に係る依頼発言について」という文書が届きました。内閣府から発言の仕方への注意があったとして、「できるだけ自分の言葉で」「せりふの棒読みは避けてください」「自分の意見を言っているという感じで」などを、こと細かく指示しています。また、文科省の担当者が発言者の座席の位置を確認するということにも言及、「○○さんは『文科省依頼』に該当しています」としています。

 複数の参加者から、(1)と(3)の趣旨の質問が会場から出されたことが指摘されており、県教委がほかの校長に依頼したとみられます。

 委員会で、石井氏は「国民との対話を装いながら、発言者を組織し、政府の用意したものをしゃべらせるのは対話というより民主主義否定の世論操作だ」と批判。他の会場も含めこの間おこなわれてきたタウンミーティングでやらせ行為があったか調査を求めました。

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(写真)ある中学校校長にあてた青森県教育庁教育政策課の依頼文書。「せりふの棒読みは避けてください」などと、タウンミーティングでの発言の仕方まで指示しています


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