2006年10月30日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPress
泊まりで仕事 寝袋生活
我慢も限界
東京・港区で青年ユニオン結成
労働強化とサービス残業に「もうがまんができない」と、東京都港区で二十二日、「みなと青年ユニオン」(首都圏ユニオン港分会)が結成されました。青年労働者が、一年余りの準備期間を経て、権利獲得に立ち上がったのです。結成大会に参加した青年たちの思いは―。(菅野尚夫)
―――― “たこ部屋”状態を改善
広告会社で働く二十代の男性は、「採用が決まったら寝袋を渡され泊まり込みで仕事を覚えろ」と上司から命じられました。「即戦力化」のための“新入社員いじめ”です。
睡眠時間は二―三時間。睡眠不足でミスなどすると鉄拳制裁をうけ、口内に裂傷を負いました。専門学校を卒業してようやく就職できた職場。辞めずに頑張ってきました。
しかし、上司の違法な行為はエスカレート。新入社員全員を上司の住む地域内のアパートに引っ越しさせて上司の監視下におき、「“たこ部屋”状態の生活」を強いました。首都圏青年ユニオンに相談し、広告会社と交渉。会社は青年労働者に謝罪して和解しました。
―――― 福祉職で正社員めざす
「福祉関係の仕事をしたい」と会社員を退職してヘルパー二級の資格を取った男性(27)。「月収手取り十四万五千円。親と同居ですから生活できますが、これでは自立できません」といいます。
男性はテレビコマーシャルで介護事業について宣伝している大手会社でヘルパー資格を取る講座をうけました。取得後に派遣社員として登録され、都内の病院に派遣されています。
朝八時三十分から午後五時までの日勤で日給七千円。午後四時三十分から翌朝の午前九時までの夜勤(月五日間)は一万五千円。退職した会社も給料は二十数万円で安かったけれども、「それよりも六万円以上も下がった」と落胆を隠せません。
介護福祉士やケアマネジャーの資格を取りたいと思う男性は「これらの資格を取るには経験年数が三年から五年が必要です。ですから正社員としてヘルパーの仕事をしたい」といいます。
ヘルパーになって八カ月。「一人で働いていても悩みは解決しません。ユニオンができて、労働基準法などを勉強して交流ができるのはうれしいです」
―――― 仲間もっと増やしたい
大森泰三さん(26)は結成大会で役員に選ばれました。「ユニオンの存在を知らせて青年の希望を広げたい」と抱負を語ります。
都内のファミリーレストランで会計事務をしています。大森さんの悩みは、レストランの現場で働く仲間の長時間労働のことです。大森さん自身も月三十時間を超えるサービス残業。現場スタッフや営業は、サービス残業が百時間以上になります。
「二カ月間まったく休みが無く、働かさせられたスタッフもいます。僕は月収二十二万八千円。『有給休暇か、残業代かどちらか一つでも出ればいい』と話しています。僕の職場よりももっとひどいところもあり、仲間を増やしたい」
―――― みんなで勉強話し合う
ユニオンの委員長になった男性(26)は印刷会社の営業で働いています。帰宅は毎日夜十一時すぎか終電車。「週休二日ですが、休みの日は余力も気力も無くなっていてひたすら寝るだけです」といいます。
サービス残業は月百時間を超え、「疲れているのに夜眠れない」など体調の不調を訴える職場の仲間たち。男性は「やるしかない」とユニオン結成に加わりました。
「労働組合というのは不自由で堅苦しいものと思っていました。それが違っていた。みんなで勉強して話し合いで進めていく。だれかがやらないと職場は変わらないと役員を引き受けました」と決意を語っています。
首都圏青年ユニオン
2000年12月、パート、アルバイトなど不安定雇用の青年労働者たちが中心になって結成された労働組合です。30代までの青年労働者が1人でも加入できます。産業、職種、雇用形態を問わない横のつながりを大切にして地域単位でつくります。
連絡先は、03(5395)5359。
お悩みHunter
女性に本音が言えずうまく付き合えない
Q ぼくは、女性との付き合いがうまくできません。付き合い方を知らないといってもいいかもしれません。ルックスばかり気にしていて。やはり、内面だと思うのですが、好きな女性の前に出ると、本音をだせずにへらへらしちゃうのです。やはり自分に自信がないんでしょう。本音で人間関係をつくってこなかったから…。(東京・男性)
自分を偽る関係は続かない
A 「本音を言えない」「コミュニケーションをうまくとれない」ということは、個人差はあると思いますが、誰もが思うことではないでしょうか。好意を持つ異性だと、なおさらかもしれませんね。
でも、自分をつくったり偽ったりしたままで付き合っても、必ずどこかで無理が出てきます。一緒の時間を過ごすことが多くなってくるにしたがい、本音を出せない自分を相手は感じるようになるもの。逆に、そんな関係で付き合っていたとしたら、あなたもいい感情を持つことができないはずです。
そんな関係は、発展しないし長続きしないと思います。まずは、きっかけを作る意味でも、自分の気持ちを相手に伝えることです。そうすれば、たとえいい言葉が思い付かなくても、好意を持っている感情や気持ちは、相手に伝わるものだと思います。
あなたも、気持ちを言葉にすることで自信にもなるのではないでしょうか。自信というのは、経験や行動からでしか生まれないし、頭で考えてるだけだったら物事は進みませんものね。
とにかく、まずは行動から。今回、うまくいかなくても、次へのステップにつながっていくのではないでしょうか。
舞台女優 有馬 理恵さん
「肝っ玉お母とその子供達」など多くの作品に出演。水上勉作「釈迦内柩唄」はライフワーク。日本平和委員会理事。

