2006年10月27日(金)「しんぶん赤旗」

窓口業務の民間委託導入

足立区が来年度断念


 東京都足立区が、行政機関が行っている業務を民間に開放する「市場化テスト法」の七月施行を受け、全国に先駆けて導入を目指した窓口業務の民間委託について、当初計画していた来年度実施を断念したことが二十六日、分かりました。同区は、委託範囲をめぐり内閣府や総務省との調整がつかなかったためとし、検討は続けるとしています。

 足立区は、九月に「公共サービス改革の推進に関する条例」を成立させました(日本共産党は反対、自民・公明・民主各党は賛成)。「市場化テスト法」は、地方自治体の業務について住民票や戸籍などの請求の受け付けと引き渡しは、民間委託できると定めていますが、同区では、この範囲を超えています。区民事務所で扱っている二十一業務のほとんどを民間の人材派遣会社に委託し、コンピューター端末による個人データの入出力の取り扱い業務も派遣社員に扱わせる方針で、来年四月から四カ所の区民事務所で導入する予定でした。

 しかし、委託範囲の拡大について竹中平蔵総務相(当時)は、日本共産党の国会での追及に「守秘義務をはじめとする厳正な服務規律を課する必要があることなどから、民間開放はできない」と答えていました。

 日本共産党区議団は、区の民間委託計画について、「市場化テスト法」さえ守らない重大な法律違反であり、個人情報の漏えいの恐れや、経費削減にならずサービス低下になるとして撤回を求めています。

 鈴木けんいち区議団長の話 もともと市場化テストの手法は、公務労働を否定し、コスト増おかまいなしでサービス向上にもならず、大企業のもうけの場を保証するだけの最悪の民間委託です。来年度実施の断念は、そうした問題を区も認めざるをえなかったものであり、強引に進めてきた鈴木恒年区長の責任が問われます。


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