2006年10月23日(月)「しんぶん赤旗」
ゆうPress
児童期 支援したい
障害児施設を開設 名古屋
父母と協力しながら
自立支援法で“大変”
平均年齢二十五歳の青年たちが、障害者のホームヘルプサービス、児童デイサービスの会社を立ち上げました。ことし、二月に開所したばかり。「有限会社CHEER(ちあ)」(名古屋市守山区)です。障害児や成人の障害者とともに育っていきたいと願って。(伊藤悠希)
事務所は住宅街の中の木に囲まれた築四十年ほどの3LDKの平屋です。大きな窓がある部屋はデイルーム。壁は子どもたちの親や職員らで塗り、真っ白に。子どもたちの手形を押した紙や子どもたちの手作りカレンダーが張られています。子どもたちは学校から帰るとこの部屋で遊びます。
ちあは週三回、月、水、土曜日の午後から夕方まで障害児のためのデイサービスを行っています。夏休みは普段の何倍もの子どもたちが集まって軒先でプール遊びなどをしました。児童デイサービスの担当者、鞆永(ともなが)佳奈さん(22)は「三人分は働きました。夏休みは会える子どもたちが増えて楽しかったです」と話します。
三人体制で
ちあ取締役の恩田泰寛さん(31)が子どもを迎えに出発すると、パートの女性がやってきました。鞆永さんとパートさんがほかの子どもたちを迎えに行きます。月曜日はデイに来る子は三人。デイルームで遊んだり、玄関周辺の落ち葉を拾って掃除をしたり、みんなで散歩をしたり。三人体制で子どもをみます。
訪問した日、知的障害で話すのが苦手な少年が鞆永さんに注意されていました。外で遊ぶ範囲を決めていたのに、何度も範囲外に出たからでした。鞆永さんが「怒ってるんじゃないよ。車が来たら危ないからだよ」と言うと、彼は少し申し訳なさそうにしていました。
鞆永さんは「どの子にも、毎回その子に合った目標を立てます。でも、前にできたからまたできるとは限らない。少しずつです」。
帰る前に、スタッフは親との連絡帳に子どもたちの様子や気付いたことを書き、一人ひとりの子どもの名前を呼んで渡します。そして、車に乗せ、それぞれの家まで送ります。
鞆永さんは「家族と会って話せるのでそうしています。お母さんたちはアイデアを出してくれたり、私のことも心配してくれます。一緒につくっていく感じなので心強いです」と話します。
ちあはホームヘルプサービスも行っています。障害者(児)の家に行って食事や入浴、外出時に同伴する移動ヘルパーも。呼吸器を必要とする障害者の見守りや身体に障害のある人の深夜の巡回も重要な仕事の一つです。取材した日、川合友美さん(26)は徹夜でした。川合さんは恩田さんとちあを開設、「児童期の支援がしたい」と立ち上げを決意しました。
恩田さんも川合さんも初めは障害者自立支援法に反対ではありませんでした。しかし、掲げている内容は実態にあっていないことが多く、児童デイサービスは障害者自立支援法の影響で基本単価が千二百七十円減額しました。川合さんは「経営は大変。法改正も実施もいきなり。本人の生活ありきではなく、予算ありきだから必要なものも切り下げることになるんです」と言います。恩田さんも「事業者に対する説明が不十分。ましてや利用者が制度を理解するのは難しい。現場は混乱しています。ついていくのがやっとです」。
ちあは事業所指定の申請書を期限ぎりぎりまで提出しませんでした。「出したらこの制度を認めるような気がして」と川合さんは言います。
恩田さんは今月一、二の両日、愛知県内の障害者団体が行った障害者自立支援法の本格実施に抗議する県庁周辺での座り込み、デモ、集会、名古屋市との交渉に参加しました。恩田さんは「本人(障害者)、親、事業者、それぞれの立場から見える不満があることがわかった。サービスを受けられにくくなっている実態を声に出し、伝えていくことが大切だと感じました」。
川合さんは「私たちの仕事は利用者さんの生活の一部。事業をやっていけないと言って、やめるわけにはいかないんです。そんな思いの上に国はあぐらをかいているとしか思えない」と話しました。
毎日楽しい
一週間ほど前からちあで働き始めた大江真希さん(23)は「ちあでは自分がやろうと思えばいろいろできるので、仕事にやりがいがある」と言います。川合さんは「二月から突っ走ってきました。ちあではやりたいことをやれています。恩田さんとはけんかも。支援のことでぶつかり合えることはいい。毎日楽しいです」と話します。鞆永さんも「子どもたちがかわいくてたまらない。彼らの成長を一緒に感じられるのがうれしい。大変だけどつらくはないです」と言っています。
障害者自立支援法 障害者がサービスを利用するとき、一割の定率負担が課せられる制度。四月一日から施行されました。手厚いサービスが必要な重い障害の人ほど負担が重くなり、収入が少ない障害者にとっては死活問題。障害者施設の経営も厳しくなっています。
お悩みHunter
遠距離恋愛で不安 気持ち離れないか…
Q 遠距離恋愛中です。彼も私も働いており、会えるのは月に一回か、二カ月に一度。頭では会えないことはわかっているのですが、会いたくてつらくなります。電話は毎日していますが顔色や表情が見えなくて、切なくなります。彼とのことは真剣に考えています。でも、どう気持ちを保っていけばいいのか、気持ちが互いに離れないか不安です。(27歳、女性)
お互いに伝えることが大事
A 彼のことがとても好きなんですね。毎日でも会いたい、そして一緒の時間を共有したい。そういう気持ちは恋人同士なら持ってて当たり前ですよね。きっと彼も同じ思いだと思います。
遠距離恋愛ですからなかなか相手に会えなくて、つらく切なくなる気持ちもよくわかります。でもね、恋愛はそういう気持ちを持つこともとても大切なんではないかと思います。相手のことをいつでも思っていられるなんてとてもすてきなことですよ。
遠距離恋愛でもあるいはそうでなくても会うことが困難になると、相手の気持ち、そして自分自身の気持ちも見失いがちになります。そうならないためにもお互いのいまの状況や気持ちをしっかりと言葉にして相手に伝えることが大事だと思います。
いつも一緒にいれば言葉にしなくてもお互い分かることってあると思いますけど、遠距離恋愛では言葉にすることがとくに大切だと思います。
恋愛は楽しいことばかりではないかもしれません。つらい思いをすることもあるでしょう。でもそうした一つ一つが自分を成長させてくれます。相手のことを考え想像し思いやる心。遠距離だからこそお互いにすてきな信頼関係がつくれるのではないでしょうか。
あなたたちおふたりのことを応援しています。
第41代日本ウエルター級チャンピオン 小林 秀一さん
東京工業大学卒。家業の豆腐屋を継ぎながらボクシングでプロデビュー。99年新人王。03年第41代日本ウエルター級チャンピオン。

